Bruckner: Motetten
Chorus Sine Nomine, Johannes Hiemetsberger, Martin Haselböck
(2025 / Gramola / 99335)
Apple Music, Presto, HMV, highresaudio
オーストリアのシネ・ノミネ合唱団によるブルックナーのモテット集。毎年のようにコンスタントに録音されているため、録音が飽和気味の感じもするブルックナーのモテット集だが、それだけ名曲揃いであるということもまた間違いない。シネ・ノミネ合唱団の丁寧な歌い上げはとても心地良い。個人的にはもう少し輪郭がハッキリとしていて厚みのある(テネブレとかの)サウンドが好みだが、自然な発声でよく調和したブルックナーは十分に聞き応えがあり、とりわけ「Christus factus est」は弱奏と強奏のダイナミックな変化がかなり好みだった。
ブルックナーのモテットの間を埋めるのはオルガニスト、マルティン・ハーゼルベックによるインプロビゼーションだったが、これがあまりにも素晴らしかった。Os justi からの流れなんかはニンマリとしてしまう。全体的に長すぎず短すぎず、モテットの流れをまったく邪魔せず主役の座を奪うこともない、でもしっかりと存在感があってアルバムに華を添える、鮮やかな即興演奏だった。
★★★☆☆(2025/1/9)