2023
ブラームスの「愛の歌(ワルツ)」はブラームスの中でも一番好きな作品。この曲ほど「心が躍る」という言葉が合う音楽はないんじゃないかとずっと思っている。それは「楽しさ」だけでなく、様々な形の愛が乗っかって「躍る」ような感覚とでも言えよう1。 Bra…
ORA Singers によるアルバム「Sanctissima: 聖母マリアの被昇天の祝日のための晩祷と祝祷」は伝統的な聖歌(plainchant)、関連するルネサンス期および現代の合唱曲を組み合わせて「晩祷(vespers)」と「祝祷(benediction)」として構成した二枚組の作品。…
ポーランドを代表する作曲家・指揮者のクシシュトフ・ペンデレツキの宗教合唱作品を集めた一枚。1960年代の作品から2012年の Missa brevis まで約50年に渡って作曲されてきた無伴奏混声合唱作品が並ぶ。演奏はラトビア放送合唱団(シグヴァルズ・クラーヴァ…
アイスランドの合唱団であるレイキャヴィーク・スコラ・カントルム(ホルズル・アウスケルソン指揮)による一枚。 2016年にリリースされたアルバム「瞑想Ⅰ」に続く本アルバム「瞑想Ⅱ」は、「死に対する人間の思考と感覚」をテーマに、21世紀のアメリカやヨー…
マーリス・シルマイス指揮、ラトビア国立合唱団による2023年のアルバム。 リヒャルト・シュトラウス「ドイツ語のモテット Op.62」は聴いているだけでも規模感を感じられるかなりの大曲。合唱だが管弦楽器のような音使いだなぁと思うところもあり、一度管弦楽…
今回は、スティレ・アンティコがウィリアム・バードの作品を取り上げた2023年のアルバム「The Golden Renaissance: William Byrd」を聴く。ルネサンス縛りで聴く企画(?)の第2回。前回(第1回)→ 本アルバムは「4声のためのミサ」の前後にバードの他の作品…
セルゲイ・ラフマニノフの「徹夜祷」(All-Night Vigil / Vespers) は毎年のように録音がリリースされている。2023年も数枚のアルバムがリリースされたが、中でもクラリオン合唱団 (アメリカ) × スティーヴン・フォックスによるこの一枚は、第66回グラミー賞…
スタジオジブリ映画の主題歌や挿入歌を12組のアーティストがカバーしたアルバム。 良いカバーとは何だろうと思ったとき、その曲が持っている魅力を新たに引き出し、さらに相対化する形で原曲の魅力を新たに引き出すようなものではないかと思っている。 この…
アンサンブル・アートコラール(Matthias Maute指揮)による、ルネサンス期から現代までの6世紀にわたる合唱作品を録音するプロジェクトの一枚で、ルネサンス期の12曲を収録。 ラインベルガー、メンデルスゾーン、ブルックナー、ヴェルディ、チャイコフスキ…
合唱大国ラトビアの名門合唱団カメールの2023年のEP。透明なサウンドで北欧の美しい響きの6作を取り上げており、各作曲家の入門的な選曲の一枚という印象もある。 丁寧で安定感のあるウィテカー「Lux nova」に続き、イヴァノフスのヴォカリーズ作品の旋律線…
キングズ・シンガーズが2023年にリリースしたこのアルバムは、ディズニー100周年記念として制作され、ディズニーの稀代の名曲25曲をオシャレなアレンジで送る一作。配信限定で3曲の「エピローグ」が追加リリースされている。 多くの曲にゲスト演奏家が入って…
キングズ・シンガーズが2023年にリリースしたアルバム「ワンダーランド」は、2023年が生誕100年であったリゲティの「ナンセンス・マドリガル集」を散りばめながら、色とりどりの委嘱作品を集めた一枚。 木下牧子の美しい日本語作品「あしたのうた」からはじ…
フランスの室内合唱団 Ensemble la Sportelle によるアルバムらしいが、いつも情報源としている Presto Music には情報がなく、Amazonでも情報が確認できず。本ブログは、下記のLinksにある2つのページを参考にしている。 最初はこのアルバムのコンセプトを…
J.S.バッハの6作のモテットは毎年のように新しい録音が行われ、すでに数多のアルバムがあるため、一体どれから手を出したら良いものかといつも迷ってしまうし、新しいものになかなか手を出せない。これまでは、ベルニウス × シュトゥットガルト室内合唱団(C…
スウェーデンの混声合唱団ルンド・ヴォーカルアンサンブルによる10年ぶりのアルバム。全体を通してハイレベルな演奏なんだけれど、ところどころ目立つ粗があったことは否めない。 マクドウォールの「O Oriens」やトッドの「I Am Changed」あたりの現代曲が良…