What Didn't Kill Us

生存記録。大したこと書いてないので。

Schütz: Musikalische Exequien & Brass: Voices / Chorwerk Ruhr


今回はバロックの大作曲家の一人ハインリッヒ・シュッツの『音楽による葬送』に加えてシュッツのモテットと現代作曲家ニコラウス・ブラスによる現代曲『アースダイバー』を収めた2022年リリースの一枚を。フローリアン・ヘルガート指揮のコールヴェルク・ルールによる演奏。

ヘルガートはバイエルン放送合唱団の演奏でシュッツの『音楽による葬送』を2024年リリースのアルバムでも録音しており、比べて聴いてしまうところがあった(尚、シュッツの SMV391 も両アルバムで録音されている)。

もちろん好みの問題もあるだろうし、伴奏の違いも大きくあるため単純な比較はできないのだが、コールヴェルク・ルールの合唱はバイエルン放送合唱団よりも軽やかで柔らかい印象を受けた。バイエルン放送合唱団のアルバムを聴いたときに感じたゴチャつくような感じもこの演奏ではほとんど感じなかった。個人的にはこちらのアルバムに軍配が上がるかなと思う。

ニコラウス・ブラスの『アースダイバー』がシュッツとどのような関係にあるのかは完全には掴みきれなかったのだが、ときどきシュッツを匂わせる印象はあるし、このアルバムの構成からもシュッツを念頭に置いた作品だと思われる。もちろんシュッツの音楽とは似ても似つかないが。コールヴェルク・ルールの演奏で現代曲を聴くのは初めてのような気もするが、音響的に難解な作品をよく整理して演奏している印象だった。コールヴェルク・ルールはとにかく自分の耳によく合う。


Heinrich Schütz: Musikalische Exequien / Nikolaus Brass: Voices
Chorwerk Ruhr, Florian Helgath
2022 (Coviello: COV92210)
Links: Presto, HMV
★★★★☆(2024/7/8)

Heinrich Schütz: Musikalische Exequien & Nikolaus Brass: Voices

Heinrich Schütz: Musikalische Exequien & Nikolaus Brass: Voices

  • フローリアン・ヘルガート & Chorwerk Ruhr
  • クラシック
  • ¥1833