ウィーン・フィルの『シェーンブルン夏の夜のコンサート 2024』のライブ録音。「スメタナ生誕200年」と「ロマン派の名作」をテーマとした今回は、スメタナ(モルダウなど)に加え、ワーグナー(ワルキューレ、タンホイザー)、ヴェルディ(運命の力)、オルメス(夜と愛)、ハチャトゥリアン(剣の舞)、ショスタコーヴィッチ(ジャズ組曲)、そしてアンコール2曲という構成。有名どころの作品や聴いていて楽しくなる作品を中心としていて、クラシックの敷居を下げてくれるような、気軽に手を出しやすい一枚。今回の指揮はアンドリス・ネルソンス。
個人的に何となく聴いたことがある曲が多かった(吹奏楽部出身者としては吹奏楽アレンジで聴いたことがある曲が多い)。その中で、スメタナ『売られた花嫁』の「道化のダンス」は初めて聴いた上、この系統の曲は(言葉を選ばずに言えば)アガる。思わずニヤけた。
オルメス作曲の間奏曲「夜と愛」というレガートの優美な作品から、ハチャトゥリアンの「剣の舞」という激しい作品を経て、ショスタコのジャズ組曲第2番より「ワルツ第2番」に至るのは妙に良い並びだなと思った。ショスタコーヴィッチはロシア(旧ソビエト)の作曲家でこの並びに入ってるのも良いなと思うし、なぜかこの演奏だとところどころウィンナーワルツっぽい刻みになっているのも面白い。もちろんその後にアンコールでホンモノのウィンナーワルツ(ウィーンの気質)で締めてくれる。
「ジャズ組曲第2番」は昔、奈良県の生駒中学校が吹奏楽コンクールで素晴らしい演奏を残していたので知っていた。管弦楽系の作品などを吹奏楽編曲して(ガンガンにカットして)コンクールで演奏することには批判もあるけれど、「クラシックとの出会い」という意味では結構意味があるのかもなぁと今更ながら思った。
なお、今回は音源で聴いたが、Apple Music では映像版も配信されている。チラッと観ただけだが映像には映像の良さがあるし、拍手や観客のリアクションもあってよりライブ感がある。
Sommernachtskonzert 2024 / Summer Night Concert 2024
Wiener Philharmoniker, Andris Nelsons, Lise Davidsen
2024 / Sony / 19802812502
Links: hmv
★★★☆☆(2024/8/2)
◾️映像付き版↓