What Didn't Kill Us

生存記録。レビューではなく日記。

Wesley: Sacred Choral Music / The Choir of Holy Sepulchre

ショパンやシューマンと同年代のイギリスの作曲家&オルガニストであるサミュエル・セバスチャン・ウェズリーの宗教音楽を集めた一枚。聖墳墓教会のプロ歌手から構成される合唱団をトビー・ウォードが指揮。

全体的な印象としては良い意味でも悪い意味でも渋い。派手さこそないが落ち着いていて趣深い、インパクトやパワーには欠けるが抑制的な美しさがある。全体的に、厳格な宗教曲(教会音楽)とオペラなどポピュラー寄りの歌曲の狭間のような印象がある。もう少し具体的に書くからば、オルガン伴奏による落ち着いた厳粛な雰囲気ではあるが、他の宗教音楽とは一風異なる自由度の高さを感じさせるとともに、オルガンの幅広い音色を駆使した巧みな作曲とまとめられよう。過去にも書いてきたように個人的にオルガン付きの曲が苦手なのだが、オルガン伴奏でここまで満足できたのは初めて。

合唱演奏、独唱、オルガンのいずれも懇切丁寧な演奏で、明るく穏和なサウンドは耳に非常に優しく、演奏のクオリティも高かった。良い一枚。


Samuel Sebastian Wesley: Sacred Choral Music
The Choir of Holy Sepulchre, The National Musician’s Church, Toby Ward
2024 / Delphian / DCD34268
Links: Presto, Delphian, hmv, Naxos
★★★☆☆(2024/8/7)

Samuel Sebastian Wesley: Sacred Choral Music

Samuel Sebastian Wesley: Sacred Choral Music

  • トビー・ウォード, リチャード・ガワーズ & ホーリー・セパルカー合唱団
  • クラシック
  • ¥1375