What Didn't Kill Us

生存記録。大したこと書いてないので。

Harmonies of Devotion / Contrapunctus

オーウェン・リースが指揮を務めるイギリスの古楽アンサンブル・コントラプンクトゥスによる、17世紀から18世紀初頭までのイタリアのモテット作品を集めた一枚。アルバムのアートワークに作曲家名が列挙されているが、モンテヴェルディ(4曲)、レグレンツィ(5曲)、ロッティ(2曲)、ステッファーニ、ベルナベイ、コロンナ(各1曲)という6名の作曲家の作品が収められている。なお、レグレンツィとロッティ、ベルナベイとステッファーニは師弟関係だという。個人的に「献身のハーモニー」というアルバムのタイトルから好き。

モンテヴェルディはルネサンスからバロックへの過渡期において大きな役割を担った作曲家であり、残りの5名の作曲家の各作品は本アルバムで聴けば分かるように旧来的な厳格な制約から外れるような形で(いわゆる「第二作法」の音楽)ドラマティックな音楽を作っているわけだが、この全てがモンテヴェルディと連なっていると言っても過言ではないだろう。実際、このアルバムではモンテヴェルディが残りの作曲家の作品を導く起点になるように楽曲が配置されていると思われる。

全体を通して、「静謐」という言葉がよく合う楽曲が並んでおり、敬虔で上品な演奏を楽しむことができる。各曲の感想は割愛するが、どの曲も高いクオリティで丁寧に仕上げられていた。間違いなくいい一枚だったと思う。


Harmonies of Devotion
Contrapunctus, Owen Rees
2024 / Signum / SIGCD914
Links: Presto, hmv
★★★☆☆(2024/8/6)

Harmonies of Devotion

Harmonies of Devotion

  • Contrapunctus & オーウェン・リース
  • クラシック
  • ¥1528