What Didn't Kill Us

生存記録。大したこと書いてないので。

Weiss und Blau / Renner Ensemble Regensburg

ハンス・プリチェット指揮の男声合唱団レンナー・アンサンブル・レーゲンスブルクの演奏による本アルバムは、ルネサンスから現代音楽まで、バイエルン地方の男声合唱作品を集めた一枚。アルバムタイトルの「白と青」はバイエルン州の色らしい。合唱団名の由来になっているヨゼフ・レンナーの編曲作など民謡が多く並ぶ中には、ラッソ、R.シュトラウス、ワーグナー、ラインベルガー、オルフといった名だたる作曲家の名前が並んでいる。

最初から順に聴いていくと、6曲目に指揮者のプリチェット作曲「Wessobrunner Gebet」、続く7曲目にパトリック・エーリヒ作曲「Ich sah einen hohen, schwarzen Wald」という2つの現代曲が登場し、強いインパクトを残していた。ラインベルガーやレーガーの楽曲の鳴り方も良かった。男声合唱の温かさと力強さを引き出す楽曲であると同時に、この合唱団は楽曲の魅力をよく引き出す演奏をしている。『カルミナ・ブラーナ』からの抜粋である「Si puer cum puellula」も短いながら迫力ある演奏。

ルネサンス音楽の作曲家ラッソの「Hort zu ein news gedicht」が面白くて楽しい曲であり、このアルバムの中ではかなりお気に入り。続くレンナー編曲の民謡「Der Wendelstoa」も音の跳躍を効果的に使った楽しい曲。この合唱団は複雑な現代曲もしっかり歌いこなすが、ルネサンスの男声合唱曲や民謡、あとはリート系の楽曲の演奏がよく合っている感じがある。ワーグナー「Matrosenchor」も初録音らしいが、短いながら華やかで派手な一曲だった。全曲は触れられなかったが、正直ハズレの演奏はひとつもない。良いアルバムだった。


Weiss und Blau
Renner Ensemble Regensburg, Hans Pritschet
2023 / ARS Produktion / ARS38627
Links: Presto, タワレコ
★★★★☆(2024/7/29)

Weiss und Blau

Weiss und Blau

  • Renner Ensemble Regensburg & Hans Pritschet
  • 合唱曲
  • ¥1833