最近聴いた音楽の備忘録ブログ。先週は好きなミュージシャンのニューリリースが多かった。米津玄師のアルバムの感想がどんどん後回しになっていく… 尚、今回分のハイライトは浦上想起&離婚伝説。
新作(2024/8)
浦上想起「夢の港の夢」
浦上想起、やっぱりどこまでもいい音楽を提供してくれる。ディズニー音楽からの影響を受けていて、それを彷彿とさせるような音楽を発表してきた浦上想起らしく、実に夢想的な音楽でありながら、ビートがしっかりしていて地に足がついた感じもするのが良い。それにしても色んな音が鳴っていて、聴けば聴くほど楽しい。合わせて収録された「星を見る人」の新録も良かった。
優河「泡になっても」
アルバム『Love Deluxe』の最終曲を先行配信。前作があまりにも高い完成度の「夜」のアルバムだったのに対し、今作はもう少し明るい時間帯の印象を受ける作品が多く、本作もかなり明瞭な響きの楽曲。やや未練たらしい歌詞をエモーショナルなだけでなく爽やかめに歌っちゃうのが良い。ただ、なぜ「泡になってもいい」なのか個人的にはまだ掴みきれていない。
aiko「skirt」
言語化が難しいのだが色々とすごいことになっている。基本的には不安定で変な感じになっているのに、不意にナチュラルな響きになって、あれ?みたいな感じになったらまた戻って、みたいなことを繰り返して気づいたら終わっていた。歌詞が不意にスパッと抜けてくる感じも含めて、一体なんなんだこれはという感じ。
Jacōz Theremicht「ガバージュ」
「ガバージュ」という言葉をはじめて聞いたが、調べてみると強制摂食という意味。なかなか高度な概念らしい。現在の価値観からは「人権侵害」という話になりそうだが(対動物でも同様)、ケースによっては(良し悪しは別として)パターナリスティックな保護と言える場合もありそう。もちろんそのままの旧来的な意味で使っているわけではなく現代の情報化社会(もう少し限定すれば情報が無限にやってくる世界)に対する比喩だろう。「つまんないことをやれ」というフレーズが非常に耳に残るロックチューン。良い。
Jacōz Theremicht「ガバージュ」。
— Jacōz Theremicht (@JacozTheremicht) 2024年8月20日
ライナーノーツby.山本章人(Vo./Gt.)https://t.co/5vsfmSJmzq pic.twitter.com/ZRtViun2NV
S.O.H.B「揺れる」
空が綺麗だから今すぐ死にたい
だから春は嫌い
言葉の代わりをいつまで探すんだろう
真夜中の鼻歌みたいにさ
S.O.H.B「揺れる」
どストレートな歌詞にストレートな歌というのが悪くないなと思った。
準新作・旧作
離婚伝説『離婚伝説』
なんとも素晴らしい。もはやちょっと気持ち悪いくらいに素晴らしい。J-POPの中心地に駆け上がっていくのも時間の問題じゃないかという充実度。どの曲もそれぞれ良いので、この曲がということを書きにくいのだが、「追憶のフロマージュ」と「萌」と「また旅に誘われて」、あとは「You Should Know Your Love」あたりが特に自分の好みに近かった。「さらもっぽ」を聴いてるとみんなのうたにも出せそうだなと思ったり。あんまり奇を衒ったようなことはしてないけど、でもギターとかはもちろん随所で技巧的な感じもする。【2024/3】
君島大空『袖の汀』
最新のアルバム2作とはかなり異なる趣の仕上がりで、歌唱とガットギターのみでほとんど展開されるサウンド。正直こちらの方が好きだなと。今回も「袖の汀(みぎわ)」というタイトルに触発されて色んなことを考えてしまいそう。汀≒渚≒水際。海や波をイメージする題であり、楽曲からもそのようなモチーフを読み取れるわけだが、個人的には汀という場所は生死の境界線を表しているように感じた。ちなみに「袖」は身体と外界の境界線だろう。cinra掲載の2本のインタビューを読みながら色々なことを思ったんだけど、今回はあえて言葉にしないでおこう。この「かなしみ=愛しみ」はどこまでも個人的なものとしておきたいなと思ったので。【2021】
その他
トクマルシューゴ「Katachi」
Official Music Video と銘打っている動画が少なくとも3つ見つかったが再生数は合計すると300万以上。ご本人のYouTubeチャンネルだとそこまで再生されていなかったけど。こういう映像はシンプルに好きだった。