What Didn't Kill Us

生存記録。大したこと書いてないので。

Gentleman Extraordinary / Resurgam

今回もGramophone Awards 2024 古楽部門の候補リストに選出されたアルバム(ファイナリストには選出されず)。リサーガム(声楽アンサンブル)とイングリッシュ・コルネット&サックバット・アンサンブル(古楽アンサンブル)が今回手がけたのは、ルネサンス末期、テューダー朝のイギリスで活躍したトマス・ウィールクスの作品。2023年はウィリアム・バードの没後400年という方ばかりが注目されたが、ウィールクスも同じく没後400年を迎えた。なお、キングズ・シンガーズがこの二人を同時に取り上げたアルバムをリリースしていることを知っていたので(未聴だが)、ウィールクスの名前だけは一応知っていた。

合唱曲が中心ながら、古楽アンサンブル(コルネットがよく聞こえてくる)のみの器楽曲、オルガン曲なども収録された一枚。それにしてもウィールクスの音楽は全体的に渋い。イングランドのルネサンス・ポリフォニーの系譜は感じられ、和声的な美しさもあるが、バードやタリスと比べても(美しさが劣るというわけではないのだが)妙に陰を感じるのが印象的。温かみもあるが妙に陰鬱とした響きがする。また、全体的にリサーガムの合唱が絶品で、古楽アンサンブルともよく溶け合った上質な仕上がりだったのが良かったところ。賞の候補にノミネートされるのも十分理解できる。器楽曲もそうだがオルガン曲がいいスパイスとなっていた。


Gentleman Extraordinary: Anthems, Services, and Instrumental Music by Thomas Weelkes
Resurgam, The English Cornett & Sackbut Ensemble, Mark Duley
2023 / Resonus Classics / RES10325
★★★★☆(2024/9/9)

○Links: Resonus, Presto, hmv

Weelkes: Gentleman Extraordinary

Weelkes: Gentleman Extraordinary

  • Resurgam, The English Cornett & Sackbut Ensemble & Mark Duley
  • クラシック
  • ¥1528