What Didn't Kill Us

生存記録。レビューではなく日記。

Mozart: Requiem / Pygmalion

ピグマリオンがモツレクの録音をリリースするならこれを機にモツレクデビューしようと一ヶ月ほど前に決めて、今回人生初のモツレクを聴いた。ブラームス『ドイツ・レクイエム』など一部の例外を除いて大曲の合唱作品はあまり聴かないのだが、ピグマリオン×ラファエル・ピションなら聴いてみたいという好奇心で再生してみた。

大曲とは言ってもモツレクは全曲でも1時間弱で比較的手を出しやすいし、実際に聴いてみるとちゃんと聴いてみるものだなぁと思う。有名な「Dies irae」以外の曲も含め、一聴したときの明快さがまず印象的だった。これはモーツァルトの作曲の良さであるとともに、ピグマリオンの演奏の良さでもあるのだろう(多分)。他の演奏と比較してどうこう言うことはできないけれど、ピグマリオンの演奏は表現のつけ方が大胆かつ精細であり、管弦楽もそうだが声楽(合唱や独唱)の演奏でそれが顕著であると感じられた。個人的には「Introitus〜Kyrie」の段階でソプラノ独唱の圧巻の上手さ、合唱の高い表現力、管弦楽のパワフルさに一気に圧倒され、その勢いのままに最後まで聴いてしまった。

今回のアルバムはボーイ・ソプラノによる聖歌ではじまり聖歌で終わるという構成で、この聖歌が非常に良い味を出していたように思う。さらに、レクイエムの楽章間にはモーツァルト作曲のいくつかの楽曲が加えられているが、このような構成も(なぜこのようにしているのかは分からなかったが)聴いていて違和感を覚えることはなく、レクイエム以外のテクストが聴こえてくるなぁくらいの印象だった。もっと聴き込めばもっと楽しめるような気もするのだが、初めて聴いた今回もあっという間に聴き終わってしまったという感じで充分に楽しめた。


Mozart: Requiem
Pygmalion, Raphaël Pichon
Chadi Lazreq (treble), Ying Fang (soprano), Beth Taylor (mezzo), Laurence Kilsby (tenor), Alex Rosen (bass)
2024 / Harmonia Mundi: HMM902729
★★★★☆(2024/10/5)

○Links: Presto, HMV

Mozart: Requiem

Mozart: Requiem

  • ピグマリオン & ラファエル・ピション
  • クラシック
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