What Didn't Kill Us

生存記録。大したこと書いてないので。

最近聴いた邦楽 / 24-10-25

新譜がひたすら良かった。柴田聡子、ずとまよ、ゆうらん船、Beachside talks、FLiNR、そしてPAS TASTA。10月はそこまで新譜を聴いてないなぁと思っていたが、ここに来てという感じ。

柴田聡子『My Favorite Things』

外から少しばかり雨音が聞こえてきて、ひんやりと冷えた風にさびしさを覚える夜に聴いていたいような、そんな孤独を癒す音楽だった。これ以上は要らない。『Your Favorite Things』と合わせてこれが2024年の音楽だ。⑩

My Favorite Things

My Favorite Things

  • 柴田聡子
  • オルタナティブ
  • ¥1528

ずっと真夜中でいいのに。『虚仮の一念海馬に託す』

未発表は二曲のみだが、M1「虚仮にしてくれ」もM3「クズリ念」もそれぞれに名曲。ずとまよと小沢健二のコラボがあったということもあってか、Twitterの反応ではM1に対して小沢健二を重ねている人の多さが印象的。ポエトリーリーディングの入れ方、歌っている内容(ふつうの暮らしを夢見るあたりのとことか、具体的なワードで言うと神、天使あたりはオザケンっぽい)など、まぁ確かにオザケンっぽいところは見出せたが、ボッサ風のトラックメイクが良いなぁという感想の方が個人的には優勢だった。ただ、他の方の感想で確かにと思ったが、これ「ぼくらが旅に出る理由」をほとんどそのまんま重ねられるんだな。それがオザケン感の正体か。M3はミディアムナンバーでよく歌詞が聞こえてくるし、その歌詞がとても良い。誰も来ない孤独な部屋でその孤独に救われるわけでもないけれど、誰も来ないでくれと叫ぶ感じ(プライベート・スーパースター)をこの曲からも感じる。良いepだ。⑨

Koke no ichinen Kaiba ni takusu - EP

Koke no ichinen Kaiba ni takusu - EP

  • ずっと真夜中でいいのに。
  • ロック
  • ¥1324

ゆうらん船「Carry Me To Heaven」

個人的に大好きなカクバリズムからゆうらん船の新譜が。ドラマの主題歌でゆうらん船のことを知った二年前の「春」以来のリリースらしい。二年後わたし自身がこんなことになっているとは…というのはさておき、あれこんなバンドだったかという「違和感」があった。ひずんだギターがいい味を出しながらも、めちゃくちゃ真っ直ぐなポップソング。ノスタルジックなのに新しく、王道ポップなのにオルタナティブでロックな音がする。ちょっと聞き返そうかな。とりあえずこの曲には早速ハマった。⑧

Carry Me To Heaven

Carry Me To Heaven

  • ゆうらん船
  • オルタナティブ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

Beachside talks「Look back!」

ベーシックでライトな聞きごこちの作品。メロディーの良さは健在だなぁ。否定するようなところは何一つ見つからないポップス。⑦

Look Back!

Look Back!

  • Beachside talks
  • オルタナティブ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

First Love is Never Returned「それが恋だと言ってくれ!」

FLiNRの新曲がずっと最高な件について。令和から「トレンディドラマ」を回顧すると、古いかもしれないけどやっぱり熱いし、必ずしも令和だってそれと遠いわけでもないんじゃないかなみたいなことを思う。厳密にはトレンディドラマではないけど、JR東海のクリスマスのCMがずっと好きで、あれを見るたびにテクノロジーの進化で失われたものってあるよなぁと。そんな歌詞の中に「OECD加盟中 幸せの水準どれくらい」なんて書ける人がこの世界に何人いるだろう。ラストの加速からのコーダも良い。さすがすぎる。⑨

それが恋だと言ってくれ!

それが恋だと言ってくれ!

  • First Love is Never Returned
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

PAS TASTA「My Mutant Ride (feat. 柴田聡子 & TAKU INOUE)」

柴田聡子のアルバムが出た横で、PAS TASTAも柴田聡子とコラボ。やはり圧倒的なトラックメイクだが、柴田聡子とのコラボということもあってなのか、エレクトロニックらしい複雑さがやや減って割と聴きやすいナンバー。ここでも柴田聡子の「言葉遣い」は面白いし、その歌唱は圧巻。そして裏で聴こえてくるギターがずっと凄まじい。一聴したときはよく分からないところもあってそこまでかなと思ったが、聴いているほどにハマってくる。⑨

My Mutant Ride (feat. 柴田聡子 & TAKU INOUE)

My Mutant Ride (feat. 柴田聡子 & TAKU INOUE)

  • PAS TASTA
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

その感激と記録「神回避」

土に埋める、knowing、yourgiraを収録したシングル。シューゲイズ系の轟音バンドだけど、メロディーや歌詞の美しさ、ヴォーカルの情感たっぷりの歌唱とか良いところがたくさんあるなぁ。三曲の中だと強いて言えば「土に埋める」が一番好み。⑧

Kamikaihi - Single

Kamikaihi - Single

  • その感激と記録
  • オルタナティブ
  • ¥765

田中ヤコブ『お湯の中のナイフ』(2018)

IN NEUTRAL、おさきにどうぞ、お湯の中のナイフ。田中ヤコブを遡っていって三作目(第一作)にたどり着いた。家主のときもそうだったけど初期作の方が、素材をそのまま出しているような感じがしていて、それはこのアルバムでも良い方向に作用しているように思う。「The Drain」と「b.o.m.3」から一気に惹き込まれ、終わり手前の「グッバイ・ザ・ガール」では完全に泣けた。田中ヤコブのソング・ライティングの良いところが存分に詰まっている。ビートルズやらはっぴいえんどやらを彷彿とさせるメロディーの良さ、さらに難しい言葉こそ使っていなくても味わい深い日本語リリック。最高。⑨

お湯の中のナイフ

お湯の中のナイフ

  • 田中ヤコブ
  • J-Pop
  • ¥2037