今月も月末に駆け込むように音楽を聴いているのだが、10/30リリースの分は来月じっくり聴き込もうと思う。今回は個人的に新顔多め。
- Blurred City Lights『天使のいない街で』
- Dos Monos『Dos Atomos』
- jak『jak』
- Le Makeup『予感』
- 17歳とベルリンの壁『Distance』
- 冬にわかれて『タンデム』(2021)
- その他
Blurred City Lights『天使のいない街で』
ジャンルはなんだかんだ音楽の好みを説明できる切り口だなと思っていて、ざっと振り返れば私はオルタナが好きで、特にシューゲイズに結構ハマる傾向を見出せる。そういう意味では、ブラードシティライツはシューゲイズだから好きなんだろうと言うこともできるけど、それでもシューゲイズだからこのバンドが好きというよりは、たとえ体裁に過ぎないとしても、好きな音楽を集めたらたまたまシューゲイズが多かったというのを保ちたい自分はいて、ブラードシティライツの音楽が良かったが先にありたいという気持ちがある。
くだらないことをうだうだと書いてしまったけど、くだらないことを考える時間はたっぷりとあるアルバムだった。濃密なシューゲイズロックに溢れたこの12曲54分は、もはや現世と隔絶する時間のようで、リリックは割と明瞭ながらメロディアスで轟音の音楽も相まって夢想的に響く。日本の若手シューゲイズを聴くんだったら、BCLはファーストチョイスになるんじゃなかろうか。とりあえず「蜃気楼」と「花束」だけでもこのバンドの実力は十分分かるし、インストゥルメンタルの「saisei no hoshi」にも結構グッと来た。8分超の大曲「夜明け」とか含めて夜更けに聴きたい感じだったかな(昼間に聴いてしまったけど)。久々にロングな感想。⑨
Dos Monos『Dos Atomos』
少し前まではエレクトロニック色の強い音楽はあまり聴いてこなかったが、最近は割と聴くようになってきたので、個人的に明確に苦手と言えるジャンルはラップくらいしかない。これは完全に個人の好みの問題で苦手な理由は自分でさえよく分からない。ラップが好きになる未来こそ見えないが、とある記事で評価の高かったDos Monosのアルバムは聞いてみた。まぁ今回で好きになれなくてもいいくらいの気持ちで聴いて、実際まだ積極的に聴くほどではないかなとも思いつつ、とにかく後ろで鳴っている音の面白さに圧倒された。プログレみのあるバラエティ豊かなトラックが良い。またいつか。⑧
jak『jak』
普通に良いんだけど、そんなにハマらなかったのはおそらくこちら側の問題。④
Le Makeup『予感』
音楽的には素朴で、そんなに特筆すべきポイントが多いわけでもなかったし、ガツンと来る感じもなかったのだが、言葉の響きが妙に良くて、歌唱の良さも相まってなんか聴いてしまうという不思議な魅力があった。なんだろうな、すごく刺さったというわけでもないのに、めちゃくちゃ良いなと思っている自分がいる。⑨
○大阪の南、太陽の西、傷跡は隠したまま Le Makeup『予感』 ロング・インタヴュー | TURN
17歳とベルリンの壁『Distance』
ツボを押さえたオルタナロックという感じでクオリティが低いということでもないはずなのだが、そんなに強い印象も残らずというのが正直なところ。透き通る群像とか、どんなプレイリストにも合わせられそうなところはある。⑥
冬にわかれて『タンデム』(2021)
寺尾紗穂、伊賀航、あだち麗三郎、それぞれが持ち寄った楽曲で有機的に構成されたアルバムであり、近いテーマ(たとえば、一曲目と二曲目は共に雨が歌われている)を取り上げていながらも、そこで異なる風景が見えてくる、そんな面白さのあるアルバムだった。アルバム全体を貫いているのは、暗がりにいる人がそれでも歩みを止めない、意志を持ってどこかに進んでゆこうとする様を描いているところだろう。ちょうど雨の日にじんわりと響いた。個人的に揺れる、静かな夜明け、山のミルトン、高度200mが好み。⑨
その他
離婚伝説『離婚伝説』
ヘビロテというほどでもないのだが、定期的に何度も聴いている。いつ聴いてもスッと入ってくるのですごく「ちょうど良い」アルバムなんだよなぁ。今年のベスト10には入るな。