My Best Songs of October 2024

月間のマイベストも4回目。毎回少しずつ書く内容を変えているが、10月はアルバム単位での視聴が多かったのでアルバム四選をメインに。広く聴くだけでなく、深く聴くということにも少しずつ取り組めた一ヶ月だった。

今月のアルバム（2024/10）

今回は今月リリース以外のアルバムも含めて四選する形式に（同じミュージシャンの重複はナシ）。音楽的に優れているかではなくて、自分が何度も繰り返し聴いたもの、深く心に響いたなと思えるものを選びました。なお、10/30のリリース作はもう少し聴き込みたいので今回は除外。

①家主『石のような自由』(2023)

今月は他のアーティストのニューリリースを差し置いて家主を聴きまくった。ソングライティングが素晴らしく、直球で私自身に刺さるメロディ、サウンド、歌声、歌詞が多く、少なくとも私にとっては好きにならない理由がなかった。生きてても上手くいかないことが多く、鬱屈としていることは分かっているのにそれを言葉にもできず、ただ悄然とするしかない、そんな日々の空洞と、彼らの音楽はあまりに相性が良い。田中ヤコブのソロ作も含めてサブスクにあるものはこの一ヶ月で大半を聴いて、それぞれに良さがあったけど、結局このアルバムが洗練度も含めて一番好みだったかな。

石のような自由

家主
ロック
¥2444

②Bialystocks『Songs for Cryptids』(2024)

今月は家主に加えてBialystocksをよく聴いた一ヶ月でもあった。それはとにかくこのアルバムに強く惹かれたからだろう。最初に聴いたときはメロディアスさやサウンドメイクの良さに惹かれたが、だんだんと歌詞にも惹かれていった。過剰にメッセージが込められているわけではなく、解釈もだいぶ聴き手に委ねられていると思われるが、雑にまとめるならば、この世界の多くのマイナスだとか不透明さを受け止めながら「それでも世界は美しく、生きるに値する」ことを歌っているアルバムだと思う。

Songs for the Cryptids

Bialystocks
オルタナティブ
¥2241

③柴田聡子『My Favorite Things』(2024)

『Your Favorite Things』の収録曲を柴田聡子のソロにフィーチャーして素朴なアレンジで仕上げている。『Your』と比べて、各曲の歌（歌詞も含む）の良さを感じられた。詩人としての柴田聡子はもちろんすごいが、その歌唱の素晴らしさを深く味わえる一枚だったように思う。外に広く開かれていくような音楽だった『Your』と比べれば『My』は内側に閉じられていくような内省的な音楽に聞こえ（二人称と一人称の対比）、他の誰も存在せず柴田聡子（の音楽）と私だけがいるようなprivateな感覚で聴いた。さらに『My』を聴いたことで改めて『Your』での岡田拓郎のアレンジの凄さを感じたし、どっちの方が良いかというよりどっちも良い。

My Favorite Things

柴田聡子
オルタナティブ
¥1528

④Meg Bonus『18PERSONAL』(2024)

先行配信された「教室」を聴いた時点でこれは凄いなと思ったし、通しで聴いてもこれは凄いなと思った。8曲17分でもファンになるには十分すぎる。エレクトロニック、サイケ、シューゲイズ、などのカラーを持った新しさのある音楽なんだけど、妙にノスタルジックで哀愁が漂っている。個人的にいま一番推しているポイントは「冬 (､､)!」の至高すぎるサックス。曲の良さに注意が向きがちだが、リリックのほど良さも決して見過ごせない。