貪るように合唱音楽を聴取していた時期は終わったが、ニューリリースで気になったものは一応定期的に確認している。今回は、作曲家でもあるアナ・ラップウッドが指揮するペンブルック・カレッジ女声合唱団の演奏による現代作曲家の女声合唱作品集。一応のお目当てはラインベルガー。
どうでもいいと言えばどうでもいいことなのだが、ジェンダー概念が発達していき、男女二元論的な思想が社会正義的に「正しくない」となっていった場合、女声合唱、男声合唱などという呼び方は不適切になっていくのだろうか。あくまでこの区分は声域の話なので、そもそもここにジェンダーの語彙を用いなくても良さそうな気はするが、かと言って同声合唱と一括りにしてしまうとそれぞれの持ち味が見えなくなっていくような気もする。この語彙によって排除されてしまう人がいるかと言われたらいないような気もするが、いずれ使われなくなっていくような予感は勝手に持っている。
各曲も短いのでボリューム的には物足りないくらいの内容だったが、女声合唱の近現代曲にさらっと触れるならかなり良いのではと思う。とりわけブリッグス、マッカートニー、パークあたりの前半戦がかなり素晴らしかった。ラインベルガーもぼちぼち。自作自演曲、イマイチとまでは言わないにしても、なんとなく影が薄かった感じは否めないか。何曲かソリストがかなり良かった。女声合唱はあまり聞かないのだが聞いてみるとやっぱり良いなという感じ。
- Kerensa Briggs: Seek Ye First the Kingdom of God
- James McCarthy: Peaceful Was the Night
- Owain Park: Cradle Lullaby
- Lapwood, Pembroke College Girls' Choir: Winter Time
- Josef Rheinberger: Abendlied
- Lapwood, Pembroke College Girls' Choir: The Waiting Sky
The Waiting Sky
Anna Lapwood, Pembroke College Girls’ Choir
2024 / Sony
★★☆☆☆(2024/11/15)
○Links: highresaudio