今年を振り返ったとき、ポップミュージックがほとんど聴けない状態から、再びポップミュージックをある程度は聴けるようになるまでの変化をこのブログはよく記録してきた。メタな立ち位置に立ってみると、人というのは不思議なくらいに変わるものだなと思う。自分は本当に脆いんだなと思った反面、その脆さは可塑性でもあって、全く違う自分に作り上げていくようなことも起こるんだなと思う。これからもずっとそうなんだろうな。
- マコトコンドウ『そばにいて。冷めた光で』
- kinoue64『after school』
- okkaaa『汽笛モノローグ』
- 青い薔薇『Wave Flower』(2023)
- 冬にわかれて『なんにもいらない』(2018)
- Penthouse『Balcony』(2023)
- その他
マコトコンドウ『そばにいて。冷めた光で』
表題曲はジャズ調のトラックがとても心地良かった上、そのトラックに乗せてポエトリーリーディングしている語りバージョンがなかなか良かった。優しいホーンセクションが沁みる。⑦
kinoue64『after school』
この辺のシューゲイズ界隈、まったく追いきれていないのだが、ふと再生したこの作品は風通しの良いなかなかの作品だった。⑦
okkaaa『汽笛モノローグ』
音がとにかく良い。高度化するポップシーンの中で、テクニカルなのだが決して複雑すぎず、よく澄んだ音像がすっと耳に入ってくる。なんとも心地良い。リリックも素晴らしいのだが、なにより言葉を歌う声の良さなんだよなぁ。ボリューミーなアルバムでなにぶん消化しきれていないんだけど、私の中での評価は君島大空あたりにも匹敵するかもしれない。本当は10をつけるべきかもしれないが、正直まだよく分かってないところが多い。⑨
青い薔薇『Wave Flower』(2023)
今年リリースの『Aster』を聴いたときと比べても尖っている印象を受けた。「つきのよる」のロックバラードとしての非凡さ、そして限られた言葉しか使わないからこそひしひしと伝わってくるものがある「赤い惑星」など、結構良いじゃんと思うところが多かった。⑧
冬にわかれて『なんにもいらない』(2018)
寺尾紗穂はほとんど遡って聴いていないのに冬にわかれては意外と聴いている。ようやく聴いたこの一作目だが、完成度は十分すぎるくらいに高い。寺尾紗穂の純朴な歌声に煌めいたバンドの音がよく合っている。君の街、耳をすまして、という冒頭の二曲だけでもうっとりとしてしまった。寺尾紗穂の歌唱はいつだって燦然としている。⑨
Penthouse『Balcony』(2023)
良質なシティ系のジャズポップに痺れる。個人的にホーンセクションが活躍する曲に弱いので、いきなり「蜘蛛の糸」でノックアウトしてしまったところはある。「流星群」を聴いて、このグループも先にドラマ主題歌で出会ってたんだなぁということにも驚いた。深く突き刺さるという感じでもないのだが、この良質なポップは無限に聴いていられる気がするし、好きにならない理由が見つからない。⑧
その他
Bialystocks『ビアリストックス』(2021)
とある記事で「I Don't Have a Pen」の歌詞が絶賛されていたのを読んで通しで再聴。「花束」から素晴らしいし「I Don't Have a Pen」も確かに衝撃的な広がりを持った曲だし、「ごはん」は相変わらず泣けるし、「またたき」は… って書いてたらもうキリがない。改めて聴いても全体を通して良いアルバムすぎるし、なんなら最初に聴いたときよりも好きになった確信がある。何度でも聴けるな。
○Bialystocksの日本語詞は「ヤバい、全部が」 小林私が綴る、音での初対面 | NiEW(ニュー) – 音楽・映画・アート・演劇・ファッションなどのカルチャーメディア