What Didn't Kill Us

生存記録。大したこと書いてないので。

Mozart: Requiem / Chorwerk Ruhr, Concerto Köln

ある種の暇つぶし、ある種の現実逃避、ある種の治療、ある種の生存記録のように始めたブログも半年続いたと考えると感慨深い。まだここかという気持ちもないことはないが、まだここにいられることを肯定的に捉えてもいる。年の終わりが近づくごとに何一つ成し得なかった自分を恨む気持ちが強まるからやっぱり冬は嫌いだな。世界でただ一人自分のためのまえがき終わり。

今回はモツレク。ドイツの実力派室内合唱団コールヴェルク・ルールと、古楽器楽団のコンチェルト・ケルン、そしてフローリアン・ヘルガートの指揮による2019年の録音。今回の補筆はドイツの作曲家ミヒャエル・オストシガ(Michael Ostrzyga)による。版ごとの違いがわかるほど洗練されたリスナーではないし、そのような聴き方もしていないのであしからず。

比較的軽妙なIntroitで幕を開け、そこからも何かド派手なことをやるわけではなく丁寧で純正な音楽を志向しながら、全体的には軽やかに決然としたアプローチで演奏されていた印象。ソリストも同様であり、マルカートでハッキリとした音が飛んできた印象が強い。モツレクをたくさん聴いてきたというわけでもないが、割と好みの演奏で、やっぱりコールヴェルク・ルールとかヘルガートの音楽づくりと自分の耳がよく合うんだなぁと思う。

カップリングはモーツァルトに師事したというイグナーツ・リッター・フォン・ザイフリートによる男声合唱曲「リベラ・メ」。なぜこのカップリングなのかなと思ったら、途中でいきなり「Dies Irae」が始まってニヤッとしてしまった。こういう演奏のときにコールヴェルク・ルールの安定した音楽づくりはさすがだなと思った。

  • Mozart: Requiem in D Minor, K. 626
  • Seyfried: Libera me

Mozart: Requiem [completed By Michael Ostrzyga]
Chorwerk Ruhr, Concerto Köln, Florian Helgath, Gabriela Scherer (soprano), Anke Vondung (mezzo-soprano), Tilman Lichdi (tenor), Tobias Berndt (bass)
2020 / Coviello: COV92009
★★★★☆(2024/11/19)

○Links: presto, HMV