オランダ室内合唱団 × ダイクストラによる2022年のアルバム。ゴッホやクリムトが生きた時代の音楽を集めたアルバムとのことだが、クリムトという画家を知らないくらいには美術には疎いので、この二人に注目する意味というのはあまり理解できていない。
アルバム前半はサン=サーンス(フランス)の「2つの合唱曲」に続き、ドビュッシー(フランス)の作品がいくつか並び、サティ(フランス)の「ジムノペディ」の合唱編曲へ。後半はR.シュトラウス(ドイツ)の「Traumlicht」に続いて、マーラー(オーストリア)の交響曲と歌曲が交互に配置され、最後にシェーンベルク(オーストリア)の二作で締められる。
ドビュッシーやマーラーはこのアルバムの中でもかなり力点が置かれていて、ドビュッシー作曲「お告げの鐘」や、マーラー作曲「原光」(交響曲第2番)、「夕映えに」(交響曲第5番)などを筆頭に、どれも感動的な演奏である。さすがのゴットヴァルト編曲。
シュトラウスやマーラーを経て、最後にシェーンベルクというのが、音楽史的な意味でも(よく知らないけれど)変遷を辿っていると言えるのかなとは思ったり。「地上の平和」は美しくも烈しさのある感動的な演奏で良かった。
オランダ室内合唱団 × ダイクストラの演奏は安定して上手いし、選曲も充実していて、かなり良い一枚を聴いたなと思う。
Van Gogh in Me: A Musical Journey Through the Times of Van Gogh and Klimt
Netherlands Chamber Choir, Peter Dijkstra
2022 / Alpha (ALPHA638)
Presto, HMV