合唱
ある種の暇つぶし、ある種の現実逃避、ある種の治療、ある種の生存記録のように始めたブログも半年続いたと考えると感慨深い。まだここかという気持ちもないことはないが、まだここにいられることを肯定的に捉えてもいる。年の終わりが近づくごとに何一つ成…
2024年にデビュー作をリリースした合唱団の作品は割と聴いてきた。Ensemble Altera、ベルリン新室内合唱団、Echo Vocal Ensemble、Voices of Concinnity、あとはSpiritoもそうだと思う。ざっと見ただけなので他にもいるかもしれない。全体的に実力派揃いであ…
スイスの青少年合唱団がマルタンをはじめスイスの作曲家の作品を取り上げた一枚。アルバムのメインを飾っており、私のお目当てでもあるのはマルタンの『二重合唱のためのミサ』。意外と録音はそれほど多くもない同曲。それでも今年は Spirito のアルバムや抜…
スウェーデンの実力派エリック・エリクソン室内合唱団が久しぶりに新作をリリース。今回のアルバムは、ハリウッドの映画音楽などを多く手がけてきた作曲家ジェフ・ビールの「The Salvage Man」をはじめ、バーバー、ネルソン、ウィテカーといったアメリカの現…
フランスの合唱団Ensemble la Sportelleが新作をリリース。タイトルの「Le Grand Mystère」はラテン語では「O Magnum Mysterium」、日本語に直せば「大いなる神秘」という意味。本作の中にも同名曲が含まれているが、キリストの降誕、聖母マリアへの畏敬を表…
いつの間にかApple Music Classicalの中でブックレットを読める作品が出てきた。以前は別のサイト(eclassical、最近だとhighresaudio)を検索していたのでこれはありがたい流れ。レーベルごとに提供しているところとそうでないところがあるということっぽい…
International Classical Music Awards 2025 のノミネート作品が公表された。個人的に確認しておきたかった部門についてApple Musicのリンクでリストアップした(一部はAmazon Musicで貼っている)。Nominations Archives - ICMA | ICMA バロック声楽(Baroq…
International Classical Music Awards 2025 のノミネート作品が公表された。個人的に確認しておきたかった部門についてApple Musicのリンクでリストアップした(一部はAmazon Musicで貼っている)。Nominations Archives - ICMA | ICMA 古楽(Early Music)…
International Classical Music Awards 2025 のノミネート作品が公表された。個人的に確認しておきたかった部門についてApple Musicのリンクでリストアップした。気が向いたらもう少し情報を追加するかも。Nominations Archives - ICMA | ICMA 合唱(Choral…
貪るように合唱音楽を聴取していた時期は終わったが、ニューリリースで気になったものは一応定期的に確認している。今回は、作曲家でもあるアナ・ラップウッドが指揮するペンブルック・カレッジ女声合唱団の演奏による現代作曲家の女声合唱作品集。一応のお…
今回はシックスティーンの最新EPをチョイス。ウォーロック、マクミラン、そしてオスピー(オスカー・ピーターソン)という顔ぶれで5曲21分。シックスティーンの魅力的な合唱もさることながら、今作はとにかくヴァイオリンの芳醇な響きが素晴らしく、合唱だけ…
フーゴー・ディストラーという作曲家のことをよく知らなかったのだが、20世紀前半のドイツで活躍した教会音楽家で、ナチス政権下では退廃音楽とみなされ、1942年に若くして自殺したらしい。今回のアルバムのメインはディストラーが1937年に作曲した、無伴奏…
合唱のアルバムに飽きてきた、なんてことを書いた割には、11月冒頭は合唱のアルバムによく手が伸びた(公開は下旬だが)。今回は2024年が歿後100年のフォーレ。合唱のナミュール室内合唱団、管弦楽のミレニアム・オーケストラ、指揮のティボー・レナールツ、…
キングズ・シンガーズの新譜が出たのを知っていながら、少し長めということもあって後回しにしていたのだが、ようやく再生ボタンを押した。今回は2019年からリリースされてきた「Library」シリーズ4作のハイライトと新録音を収録した全31曲のプログラム。ビ…
今日はモツレクを。Apple Music Classicalで調べてもあまりに録音が多すぎて、一体どれから聴いたものかとなってしまうのだが、そういう意味で新作は「新作だから」という理由があるので、結局すべてが横並びのストリーミングの時代でも手を出しやすい。今回…
最近は完全に合唱のアルバムを追いかける熱は冷めてしまったが、それでも好きな合唱団が新作をリリースしたときなどには余熱で聴いている。今回もタリス・スコラーズが最新作を出したと知って、とりあえず何も考えずにライブラリに追加して再生ボタンを押し…
今回はシュニトケ、ヴェーデル、そしてボルトニャンスキーの「合唱聖歌コンチェルト」。こういう音楽はどうしても本場ロシアの合唱団の演奏で聴きたいなと思ってしまうが、今回はロシアの合唱作品集の録音実績もあり、なおかつ低声が充実していて重厚なサウ…
カリタス室内合唱団の2024年リリースの新譜は、ジェイムズ・マクミラン(スコットランド)、ヘンリク・ダールグレン(スウェーデン)、フィリップ・クック(イギリス)、アンドリュー・スミス(イギリス、ノルウェー)という四人の現代作曲家の作品集。マク…
実力派の古楽アンサンブル・グランドラヴォアは今年の上半期にブリュメルの『地震ミサ』のライブ録音をリリースしているが、嬉しいことに今年はもう一作リリースが。今回のアルバムのタイトルは『無より』という意味で、「無からの創造」という神学的概念に…
最近は軒並みポップス作品ばかり聴いていたので、久しぶりに合唱のアルバムを聴く。ストリーミング(Apple Music Classical)で聴いているので時間さえあれば際限なく聴けてしまうのだが、そのような選択肢の過剰さが何を聴くかを選べなくさせてしまうような…
サンサーラ(合唱団)とユナイテッド・ストリングス・オブ・ヨーロッパ(弦楽アンサンブル)がタッグを組み、合唱と弦楽によって安らぎの現代音楽を辿る一枚。メインはC.ショウ作曲の合唱・弦楽作品『To the Hands』と、H.フーリー作曲の弦楽作品「The Journ…
ピグマリオンがモツレクの録音をリリースするならこれを機にモツレクデビューしようと一ヶ月ほど前に決めて、今回人生初のモツレクを聴いた。ブラームス『ドイツ・レクイエム』など一部の例外を除いて大曲の合唱作品はあまり聴かないのだが、ピグマリオン×ラ…
ブルックナーのモテット4作とマルタンのミサを並べるのは意外と見かけない組み合わせではなかろうか。アルバムのタイトルも組み合わせて推察するに、ミサの合間にモテットを組み合わせることで、全体として「架空のミサ(messe imaginaire)」を構成している…
フランドル楽派の作曲家ヤーコプ・オブレヒトの『ミサ・スカラメッラ』およびモテット『父の母にして娘/神の聖なる御母よ』はいずれも不完全な状態で残されていた楽曲。今回のアルバムはその二作について、ファブリス・フィッチやフィリップ・ウェラーが再…
最近はルネサンス音楽やバロック音楽を聴くようにはなったが、ルネサンス末期と初期バロックあたりの細かい区別がどうなっているのかは未だによく分かっていない。他の時代区分にも言えることかもしれないが、二つの時代を生きた作曲家はどうやって区分され…
アラミレによるウィリアム・バードの作品集第一弾。第二弾(1589)は以前このブログでも取り上げているが、今回は1588年に出版された『詩篇、ソネット、悲しみと敬虔の歌曲集』を全曲録音した一枚。トマス・タリスとの出版楽譜(1575年。アラミレは2011年に…
明けない夜はない、という言葉が好きじゃない。夜という言葉に悲しみや苦しみを重ねて、朝日に希望を重ねているということは分かっている。だが、生きる苦しみのほとんどは夜ではなくむしろ太陽が昇っている間に起きるではないか。その人が生きる環境や価値…
また不意にジェズアルドが聴きたくなって、今回はコレギウム・ヴォカーレ・ヘント(フィリップ・ヘレヴェッヘ)のマドリガーレ集第5巻をセレクト。タイトルにもなっている1611年はジェズアルドが亡くなるわずか2年前で、聖週間のためのテネブレ・レスポンソ…
アラミレはウィリアム・バード作品のリリースが続いている。昨年リリースの『Byrd 1589』に続いてリリースされた今回のアルバムのメインは、10声の大曲「The Great Service(大礼拝曲)」。HMVのページに記されている解説によれば、第一次世界大戦後の1924年…
今回もGramophone Awards 2024 古楽部門の候補リストに選出されたアルバム(ファイナリストには選出されず)。リサーガム(声楽アンサンブル)とイングリッシュ・コルネット&サックバット・アンサンブル(古楽アンサンブル)が今回手がけたのは、ルネサンス…