What Didn't Kill Us

観たもの、聴いたもの、読んだもの

2024-01-01から1年間の記事一覧

Many are the Wonders / ORA

ルネサンス期を代表する作曲家による作品と、それらの作品に基づいた現代作曲家による応答を委嘱・録音するというプロジェクトを進めている ORA Singers & スージー・ディグビーによる「ルネサンスの至宝とその反映」シリーズの第二弾「Many are the Wonders…

Strauss: A Cappella / Accentus & Latvian Radio Choir

アクサンチュス & ラトビア放送合唱団という大編成によるリヒャルト・シュトラウスのアカペラ合唱曲の作品集。見事なくらいの大曲揃い。 Strauss: A Cappellaアクサンチュス室内合唱団, ローランス・エキルベイ & Latvian Radio Choirクラシック¥1681 「ドイ…

Saint-Saëns - Hahn: À la lumière / Accentus

フランスの室内合唱団アクサンチュスの演奏は独特の味わいがあるなぁといつも思わせてくれる。19〜20世紀のフランスで活躍した作曲家、サン=サーンスとレイナルド・アーンの合唱作品を収めた一枚『光に寄す À la lumière』もアクサンチュスらしい深く芳醇な…

Vaughan Williams: Retrospect / London Choral Sinfonia

イギリスを代表する作曲家ヴォーン・ウィリアムズの作品を集めた一枚。マイケル・ウォンドロン指揮のロンドン・コーラル・シンフォニア(合唱・管弦楽)による丁寧な演奏が光る。 Vaughan Williams: RetrospectLondon Choral Sinfonia, マイケル・ウォルドロ…

Refuge from the Flames / ORA

ルネサンス期を現代合唱に「反映」させることをコンセプトにしている ORA Singers × スージー・ディグビーのセカンドアルバム。 本アルバムは、2人の作曲家による Miserere に挟まれる形で、15世紀のドミニコ会修道士サヴォナローラ(Girolamo Savonarola)…

Home / Voces8

アメリカの作曲家エリック・ウィテカーの作曲活動30周年を記念した一枚。ヴォーチェス8の演奏で、ウィテカーが指揮。同じくウィテカー指揮の著名な合唱作品集である2010年リリースの「Light & Gold」と見比べると、M2. The Seal Lullaby のみ重複している。 …

最近聴いた音楽 / 24-06-23

今週新しく聴いた音楽の中から感想を書いておきたいものをピックアップした定期ブログ。 suis from ヨルシカ「若者のすべて」 福川伸陽 with ジャパンホルンサウンド「ルパン三世のテーマ'78」 amazarashi「ごめんねオデッセイ」 櫻坂46「自業自得」「愛し合…

Messian: Cinq Rechants / Vokalsolisten Kammerchor Stuttgart

メシアン作曲の「5つのルシャン」「O sacrum convivium」と、ゴットヴァルト編曲のドビュッシー「アンジェラスの鐘(Les Angélus)」「雪の上の足跡(Des pas sur la neige)」、ラヴェル「ため息(Soupir)」、マーラー「Ich bin der Welt abhanden gekomme…

War No More / Renner Ensemble Regensburg

直球のタイトルが目について聴いた一枚。第一次世界大戦の終戦から100年に合わせて制作された、反戦(戦争と平和)をテーマにしたアルバムで、オーパス・クラシック賞の受賞作品。ドイツの男声合唱団レナー・アンサンブル・レーゲンスブルク(ハンス・プリチ…

Mendelssohn: Chöre für Männerstimmen / SWR Vokalensemble

メンデルスゾーンの男声合唱作品を集めた SWR ヴォーカル・アンサンブル(フリーダー・ベルニウス指揮)の男声メンバーによる一枚。2枚組33曲とかなりのボリュームで、演奏は言わずもがなのクオリティだし、録音があまりなされていない作品も多く、資料価値…

Antognini: Come to me in the silence of the night / Trinity College Choir Cambridge

スイス出身の作曲家イーヴォ・アントニーニの合唱作品集(2023)。演奏はスティーヴン・レイトン × トリニティ・カレッジ・ケンブリッジ混声合唱団。アントニーニという作曲家は名前こそ知ってるが、そこまで聴いてこなかったのでどんな感じだろうと思って選…

To Sing of Love / VOCES8 Foundation Choir & Orchestra

ヴォーチェス8 の2024年リリースの新譜『To Sing of Love』を聴いた。ウィテカーやブリテンの合唱作品を管弦楽付きにアレンジしたものなど、合唱と管弦楽のための作品が収録されている一枚。 To Sing of LoveVarious Artistsクラシック¥1528 先行配信されて…

Villard & Martin: Doubles messes a cappella / Académie Vocale de Suisse Romande

スイス・ロマンド・ヴォーカル・アカデミーというスイスのフランス語圏を本拠地とする声楽アンサンブルによる一枚。全く聴いたことがない合唱団だったが、演奏のクオリティは高い。 Villard & Martin: Doubles messes a cappellaAcadémie Vocale de Suisse R…

Byrd: Mass for five voices / The Gesualdo Six

ルネサンス・ポリフォニーを専門とする男声アンサンブルグループであるジェズアルド・シックスがウィリアム・バードを取り上げた一枚。ルネサンス縛りで聴く「ルネサンスシリーズ」の第5回目。ちょっとバードに偏り気味かも。 Byrd: Mass for Five Voices, A…

Brahms: Ein Deutsches Requiem / ベルリン・フィル

いつか聴きたいなと思っていても、「また今度でいいや」となり続けてずっと手を出せずにいる曲がいくつもある。「積読」みたいなもんで「積楽(つんがく)」とでも言えるか。合唱だとブラームスの「ドイツ・レクイエム」はその一つだった。 今回ついに手を出…

Daylight Declines / テネブレ

テネブレ(ナイジェル・ショート指揮)によるウカシェフスキの合唱作品を集めた一枚。ウカシェフスキだけを集めた作品集を聴くのはこれが二枚目。2010年以降の作品のみで構成されている。 Daylight Declines: Choral Music by Paweł Łukaszewskiテネブレ & …

Francis Poulenc / The Sixteen

プーランクが妙に聴きたくなって、Apple Music のマイライブラリからとりあえず選んだシックスティーンの一枚。オルガン付きの「黒衣の聖母への連祷 FP. 82」を除いて5分未満(なんなら2〜3分程度)の短い曲が多く、1時間程度ながらも多くの作品が収録された…

Als Ob Mich Engel Riefen / Chorwerk Ruhr

コールヴェルク・ルール(フローリアン・ヘルガート指揮)によるブラームスの合唱作品集。 Als ob mich Engel riefen. Choral Music by Johannes BrahmsPeter Kofler, フローリアン・ヘルガート & Chorwerk Ruhrクラシック¥1833 全体を通してクセの少ないさ…

Lux Aeterna - Choral Works by György Ligeti and Zoltan Kodály / Danish National Vocal Ensemble

20世紀のハンガリーを代表する作曲家コダーイとリゲティによる合唱作品を集めた一枚。デンマーク国立声楽アンサンブル × マーカス・クリード指揮による演奏。 Kodály & Ligeti: Choral WorksDanish National Vocal Ensemble & マルクス・クリートクラシック¥…

Stella / ORA Singers

ルネサンス期の楽曲を聴こうという「ルネサンスシリーズ」の第4回目として、ORA Singers による「ルネサンスの至宝とその反映」シリーズの第3弾「Stella」を聴いた。 StellaORA & スージー・ディグビークラシック¥1681 このアルバムは16世紀のスペインの作曲…

最近聴いた音楽 / 24-06-16

キリンジ「千年紀末に振る雪は」など 優河「Sunset」 カネコアヤノ『よすが』 はっぱ隊「YATTA!」 キリンジ「千年紀末に振る雪は」など キリンジ(現KIRINJI)の初期シングル(双子座グラフィティ〜鋼鉄の馬)がサブスク解禁された。キリンジは後追いファン…

Mendelssohn: Choral Works / MDR Leipzig Radio Choir

ライプツィヒ MDR 放送合唱団によるメンデルスゾーンの合唱作品集。 Mendelssohn: Choral WorksMDR Leipzig Radio Choir & Philipp Ahmannクラシック¥1528 この合唱団は少し前にブルックナーなどを聴いたときにも思ったが、(良くも悪くも)クセの少ないナチ…

Rheinberger & Mendelssohn Choral Works / オランダ放送合唱団

ラインベルガーとメンデルスゾーンによる無伴奏合唱作品を収めたオランダ放送合唱団による一枚。ラインベルガーが好きなのでそれをお目当てに。パートごとの人数はソプラノ22、アルト17、テノール17、バス17(計73名)であり、かなり大規模な演奏だが、気鋭…

Sanctissima / ORA Singers

ORA Singers によるアルバム「Sanctissima: 聖母マリアの被昇天の祝日のための晩祷と祝祷」は伝統的な聖歌(plainchant)、関連するルネサンス期および現代の合唱曲を組み合わせて「晩祷(vespers)」と「祝祷(benediction)」として構成した二枚組の作品。…

Brahms: Complete Liebeslieder Walzer, Op. 52 & 65, Hungarian Dances / RIAS室内合唱団

ブラームスの「愛の歌(ワルツ)」はブラームスの中でも一番好きな作品。この曲ほど「心が躍る」という言葉が合う音楽はないんじゃないかとずっと思っている。それは「楽しさ」だけでなく、様々な形の愛が乗っかって「躍る」ような感覚とでも言えよう1。 Bra…

Upheld by Stillness / ORA

個人的な趣味で始めた「ルネサンスシリーズ」の第3回。今回はバードの「5声のためのミサ」を目当てに、スティレ・アンティコと並んで気になっていた声楽アンサンブル ORA の「ルネサンスの至宝とその反映」シリーズ第1弾「Upheld by Stillness」を聴いた。前…

Penderecki: Sacred Choral Works / Latvian Radio Choir

ポーランドを代表する作曲家・指揮者のクシシュトフ・ペンデレツキの宗教合唱作品を集めた一枚。1960年代の作品から2012年の Missa brevis まで約50年に渡って作曲されてきた無伴奏混声合唱作品が並ぶ。演奏はラトビア放送合唱団(シグヴァルズ・クラーヴァ…

Meditatio II / Schola Cantorum Reykjavicensis

アイスランドの合唱団であるレイキャヴィーク・スコラ・カントルム(ホルズル・アウスケルソン指揮)による一枚。 2016年にリリースされたアルバム「瞑想Ⅰ」に続く本アルバム「瞑想Ⅱ」は、「死に対する人間の思考と感覚」をテーマに、21世紀のアメリカやヨー…

Credo / ラトビア国立合唱団

マーリス・シルマイス指揮、ラトビア国立合唱団による2023年のアルバム。 リヒャルト・シュトラウス「ドイツ語のモテット Op.62」は聴いているだけでも規模感を感じられるかなりの大曲。合唱だが管弦楽器のような音使いだなぁと思うところもあり、一度管弦楽…

『有吉弘行の脱法TV』第2回 / 原田和実

●ネタバレありの感想文なので、未視聴の方が読まれる場合はご注意ください。●発言およびスクショ画像の引用は全て本番組からですが、問題があれば削除します。●丁寧に推敲していないので、誤字脱字や読みづらい文章などはご容赦ください。 ギャラクシー賞と…