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Rheinberger & Mendelssohn Choral Works / オランダ放送合唱団

ラインベルガーとメンデルスゾーンによる無伴奏合唱作品を収めたオランダ放送合唱団による一枚。ラインベルガーが好きなのでそれをお目当てに。パートごとの人数はソプラノ22、アルト17、テノール17、バス17(計73名)であり、かなり大規模な演奏だが、気鋭の若手指揮者ベンジャミン・グッドソンによって統率がよく取れており、ダイナミックさもありながら細部までよく行き届いた演奏であった。

Rheinberger & Mendelssohn: Choral Works

Rheinberger & Mendelssohn: Choral Works

  • オランダ放送合唱団 & Benjamin Goodson
  • クラシック
  • ¥1528

ラインベルガー「ミサ曲 変ホ長調 Op.109」は人気曲のイメージがあるが、録音はそこまで多くない。個人的には1989年のシュトゥットガルト室内合唱団(Carus: CAR83113)と1991年のオランダ室内合唱団(Globe: GLO5070)がこれまで聴いてきた中(Apple Music で聴けるやつは一通り聴いた)では二大演奏だと思っているが、これらに並ぶような上質な演奏だったし、強奏のパワフルさ(Gloria や Credo のラスト)はこのアルバムがピカイチだったかなと思う。

ラインベルガー「Abendlied」も収録。よく録音されている割にはあまり良い演奏に出会えないのと、室内合唱などの少人数の方が上手くいっている演奏が多いイメージであまり期待していなかったが、これはかなり良い演奏。ちょっと拍が強く出すぎかなと思ったところはあったが、これは好みの問題だろう。

メンデルスゾーンは詩篇をもとにした4曲と「6つの箴言」。聴き始めて気づいたのだが、聴いたことがあると思っていた曲もあまり覚えていなくて、実質的に初見のような気持ちで聴いた。「詩篇」は各曲がかなりの個性を持ったドラマチックな作品。ソリストも合唱団のメンバーで、良い意味で「別物感」がなく上手いなぁと思いながら聴いた。詩篇22のテナーソロが好き。全体を通して細かいパッセージでも崩れることなく統一感があるし、メロディックな旋律も美しく歌われ、ハーモニーにも厚みがあって感動的。「6つの箴言」は声部こそ多いがかなりシンプルな作品。これはこれで大規模な合唱による重厚な tutti がよく映える。

かなり良い一枚だった。


Rheinberger & Mendelssohn Choral Works
Netherlands Radio Choir, Benjamin Goodson
2023 (Pentatone: PTC5187039)
参考リンク: Presto, eclassical, HMV
★★★★★(2024/6/9)