ルネサンス
いつの間にかApple Music Classicalの中でブックレットを読める作品が出てきた。以前は別のサイト(eclassical、最近だとhighresaudio)を検索していたのでこれはありがたい流れ。レーベルごとに提供しているところとそうでないところがあるということっぽい…
最近は完全に合唱のアルバムを追いかける熱は冷めてしまったが、それでも好きな合唱団が新作をリリースしたときなどには余熱で聴いている。今回もタリス・スコラーズが最新作を出したと知って、とりあえず何も考えずにライブラリに追加して再生ボタンを押し…
実力派の古楽アンサンブル・グランドラヴォアは今年の上半期にブリュメルの『地震ミサ』のライブ録音をリリースしているが、嬉しいことに今年はもう一作リリースが。今回のアルバムのタイトルは『無より』という意味で、「無からの創造」という神学的概念に…
フランドル楽派の作曲家ヤーコプ・オブレヒトの『ミサ・スカラメッラ』およびモテット『父の母にして娘/神の聖なる御母よ』はいずれも不完全な状態で残されていた楽曲。今回のアルバムはその二作について、ファブリス・フィッチやフィリップ・ウェラーが再…
最近はルネサンス音楽やバロック音楽を聴くようにはなったが、ルネサンス末期と初期バロックあたりの細かい区別がどうなっているのかは未だによく分かっていない。他の時代区分にも言えることかもしれないが、二つの時代を生きた作曲家はどうやって区分され…
アラミレによるウィリアム・バードの作品集第一弾。第二弾(1589)は以前このブログでも取り上げているが、今回は1588年に出版された『詩篇、ソネット、悲しみと敬虔の歌曲集』を全曲録音した一枚。トマス・タリスとの出版楽譜(1575年。アラミレは2011年に…
また不意にジェズアルドが聴きたくなって、今回はコレギウム・ヴォカーレ・ヘント(フィリップ・ヘレヴェッヘ)のマドリガーレ集第5巻をセレクト。タイトルにもなっている1611年はジェズアルドが亡くなるわずか2年前で、聖週間のためのテネブレ・レスポンソ…
アラミレはウィリアム・バード作品のリリースが続いている。昨年リリースの『Byrd 1589』に続いてリリースされた今回のアルバムのメインは、10声の大曲「The Great Service(大礼拝曲)」。HMVのページに記されている解説によれば、第一次世界大戦後の1924年…
今回もGramophone Awards 2024 古楽部門の候補リストに選出されたアルバム(ファイナリストには選出されず)。リサーガム(声楽アンサンブル)とイングリッシュ・コルネット&サックバット・アンサンブル(古楽アンサンブル)が今回手がけたのは、ルネサンス…
『エロスと暴力』と題された本アルバムは、ヴァルター・ナスバウム指揮のスコラ・ハイデルベルクによる演奏とミヒャエル・ロートショプフの朗読によって、前半はカルロ・ジェズアルド、後半はミケランジェロ・ロッシという2人の作曲家によるマドリガーレを、…
後期ルネサンスのイタリアで活躍した異端の作曲家カルロ・ジェズアルドによるマドリガーレ集の第4巻。フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮のコレギウム・ヴォカーレ・ヘントはこれまでにジェズアルドのマドリガーレ集の第6巻(Phi: LPH024)と第5巻(Phi: LPH03…
Gramophone Awards 2024 古楽部門のノミネート作品。古楽ア・カペラ作品を数多く取り上げてきたカペラ・プラテンシスが今回取り組んだのは、ルネサンス期のポリフォニーミサの中でも最高峰とされている長大さと複雑さを誇る、ヤーコプ・オブレヒトのミサ『優…
イギリスの声楽アンサンブルであるスティレ・アンティコの演奏で、イングランド(およびアイルランド)における、テューダー朝の教会音楽を聴く。世界史には疎いので、テューダー朝と言われてもまったくピンと来なかったのだが、薔薇戦争を勝ち抜いたヘンリ…
ジェズアルドのテネブレ・レスポンソリウムが無性に聴きたくなる夜がある。特に聖木曜日の激情的な音楽に触れたくなる夜がある。今回は思い立ったように、レザール・フロリサン(ポール・アグニュー指揮)によるジェズアルドのテネブレ・レスポンソリウムを…
ドイツを代表する2つのヴォーカル・アンサンブルグループである、カルムス・アンサンブルとアマルコルドによるコラボアルバム。そこに宗教改革の「ライプツィヒ討論」という題をつけているのが面白いところ。アルバムのメインであり今回の個人的なお目当てで…
ベッラ・ヴォーチェ(=美しい声)というアメリカの合唱団の演奏によるルネサンス・バロック作品集。リザ・カリセシ・メイデンズ指揮。ビクトリアやパレストリーナといった有名どころの楽曲も聴いたことがない(録音も多くない)マニアックなところが選曲さ…
少し前にGramophone Awards 2024 の部門ごとの候補が発表された。聴いていないアルバムが色々と選出されていたので、とりあえず一つでも多く聴いてみようと思っている。余談ながら、個人的にはそこまで重要ではないものの、最近 Presto Music のサイトでEdit…
最近は妙にシックスティーンが耳に馴染む感じがあって、パレストリーナを順に聴いていくだけでなく新しい作品から遡るような聴き方もしている。今回聴いたのはバード没後400年(2023年)を記念したアルバム。バードを中心に、クレメンス・ノン・パパ、フィリ…
ルネサンス・ポリフォニーを聴くことが日常的になってきて、様々な合唱団・アンサンブルの演奏を聴くようになった。それぞれに魅力があって好きな演奏も増えてきたが、最初に聴いたスティレ・アンティコには定期的に戻ってきたくなる。今回の一枚はビクトリ…
ザ・シックスティーンのパレストリーナシリーズの第五弾を聴いた。他にもたくさんアルバムを出しているのに、このシリーズばかり聴いているからシックスティーンといえばパレストリーナというイメージが強くなりつつある。今回のテーマは「ペンテコステ(聖…
ザ・シックスティーンのパレストリーナシリーズ4作目は、第2作に続いて「クリスマス」がテーマ。メインは、パレストリーナ自身の作曲した同名のモテットをベースにしたミサ「Missa O magnum mysterium」。その他、いつも通り「ソロモンの雅歌」からの抜粋や…
古楽アンサンブルグループ・グランドラヴォアのジョスカン。ティールマン・スザートがジョスカンの死後に刊行したジョスカン・デ・プレのシャンソン作品集(偽作を含む)を収めた一枚。ビョルン・シュメルツァー指揮。副題には「悲しみの歌、嘆きの歌、死の…
ルネサンス音楽のアルバムを何度も取り上げている割に、何気にタリス・スコラーズのアルバムの感想を書くのは初めて。今回のお目当てはブリュメルの『見よ、大地が大きく揺れ動き(地震ミサ)』。サブスクで検索をかけても1992年のタリス・スコラーズと1990…
スペインの合唱団エル・レオン・デ・オロによるルネサンス作品集。メインは初全曲録音らしいジョルジュ・ド・ラ・エル作曲のミサ『万物の連なりを超えて』。同名のジョスカンのモテットをベースに作曲された7(〜8)声の作品である。さらにピエール・ド・マ…
ヨハネス・オケゲムはフランドル楽派初期に活躍した作曲家で、ジョスカンやオブレヒトのさらに前の世代である。Wikipediaを読んでみると、残っている作品は決して多くないが、その作曲の才は確かなものであり、ブルゴーニュ楽派とジョスカンらの橋渡し的な役…
後期ルネサンス・フランドル楽派の著名な作曲家の一人、オルランド・ディ・ラッソ(オルランドゥス・ラッスス)による教会音楽の中から聖母マリアの讃歌であるマニフィカト(Magnificat)を集めた一枚。2枚組2時間半というかなりのボリューム。フィリップ・…
今回もシックスティーンのパレストリーナ。1枚目と2枚目は少しだけ間を空けて聴いたが、今回はあえて連続で聴くことで少しは2枚目との違いが感じられると良いかなという気持ち。 今回の3枚目はキリストの復活を祝う「イースター」をテーマとして、ミサ曲『天…
今回はザ・シックスティーンのパレストリーナシリーズの2枚目。まだまだ最新作の9枚目まで先は長い。 今回のアルバムは、クリスマスのミサ曲『今日、キリストは生まれたまいぬ Missa Hodie Christus natus est』を中心に、クリスマスに関連した作品(キリス…
今回はルネサンス系の男声合唱グループであるジェズアルド・シックスのアルバム。『明けの明星』というタイトルだけだと、何のコンセプトのオムニバス・アルバムなのかが分からなかったのだが、どうやら「公現祭 epiphany」というクリスマスから12日後の祭日…
今回はジョスカン・デ・プレと同時代の作曲家ハインリヒ・イザークのミサ曲『どうしたら楽しみを手に入れられるだろう』を中心に収めたチンクエチェント演奏の一枚。 ミサ『どうしたら楽しみを手に入れられるだろう(Missa Wohlauff gut Gsell von hinnen)…