What Didn't Kill Us

観たもの、聴いたもの、読んだもの

2023

Home / Voces8

アメリカの作曲家エリック・ウィテカーの作曲活動30周年を記念した一枚。ヴォーチェス8の演奏で、ウィテカーが指揮。同じくウィテカー指揮の著名な合唱作品集である2010年リリースの「Light & Gold」と見比べると、M2. The Seal Lullaby のみ重複している。 …

Mendelssohn: Chöre für Männerstimmen / SWR Vokalensemble

メンデルスゾーンの男声合唱作品を集めた SWR ヴォーカル・アンサンブル(フリーダー・ベルニウス指揮)の男声メンバーによる一枚。2枚組33曲とかなりのボリュームで、演奏は言わずもがなのクオリティだし、録音があまりなされていない作品も多く、資料価値…

Antognini: Come to me in the silence of the night / Trinity College Choir Cambridge

スイス出身の作曲家イーヴォ・アントニーニの合唱作品集(2023)。演奏はスティーヴン・レイトン × トリニティ・カレッジ・ケンブリッジ混声合唱団。アントニーニという作曲家は名前こそ知ってるが、そこまで聴いてこなかったのでどんな感じだろうと思って選…

Byrd: Mass for five voices / The Gesualdo Six

ルネサンス・ポリフォニーを専門とする男声アンサンブルグループであるジェズアルド・シックスがウィリアム・バードを取り上げた一枚。ルネサンス縛りで聴く「ルネサンスシリーズ」の第5回目。ちょっとバードに偏り気味かも。 Byrd: Mass for Five Voices, A…

Als Ob Mich Engel Riefen / Chorwerk Ruhr

コールヴェルク・ルール(フローリアン・ヘルガート指揮)によるブラームスの合唱作品集。 Als ob mich Engel riefen. Choral Music by Johannes BrahmsPeter Kofler, フローリアン・ヘルガート & Chorwerk Ruhrクラシック¥1833 全体を通してクセの少ないさ…

Mendelssohn: Choral Works / MDR Leipzig Radio Choir

ライプツィヒ MDR 放送合唱団によるメンデルスゾーンの合唱作品集。 Mendelssohn: Choral WorksMDR Leipzig Radio Choir & Philipp Ahmannクラシック¥1528 この合唱団は少し前にブルックナーなどを聴いたときにも思ったが、(良くも悪くも)クセの少ないナチ…

Rheinberger & Mendelssohn Choral Works / オランダ放送合唱団

ラインベルガーとメンデルスゾーンによる無伴奏合唱作品を収めたオランダ放送合唱団による一枚。ラインベルガーが好きなのでそれをお目当てに。パートごとの人数はソプラノ22、アルト17、テノール17、バス17(計73名)であり、かなり大規模な演奏だが、気鋭…

Brahms: Complete Liebeslieder Walzer, Op. 52 & 65, Hungarian Dances / RIAS室内合唱団

ブラームスの「愛の歌(ワルツ)」はブラームスの中でも一番好きな作品。この曲ほど「心が躍る」という言葉が合う音楽はないんじゃないかとずっと思っている。それは「楽しさ」だけでなく、様々な形の愛が乗っかって「躍る」ような感覚とでも言えよう1。 Bra…

Sanctissima / ORA Singers

ORA Singers によるアルバム「Sanctissima: 聖母マリアの被昇天の祝日のための晩祷と祝祷」は伝統的な聖歌(plainchant)、関連するルネサンス期および現代の合唱曲を組み合わせて「晩祷(vespers)」と「祝祷(benediction)」として構成した二枚組の作品。…

Penderecki: Sacred Choral Works / Latvian Radio Choir

ポーランドを代表する作曲家・指揮者のクシシュトフ・ペンデレツキの宗教合唱作品を集めた一枚。1960年代の作品から2012年の Missa brevis まで約50年に渡って作曲されてきた無伴奏混声合唱作品が並ぶ。演奏はラトビア放送合唱団(シグヴァルズ・クラーヴァ…

Meditatio II / Schola Cantorum Reykjavicensis

アイスランドの合唱団であるレイキャヴィーク・スコラ・カントルム(ホルズル・アウスケルソン指揮)による一枚。 2016年にリリースされたアルバム「瞑想Ⅰ」に続く本アルバム「瞑想Ⅱ」は、「死に対する人間の思考と感覚」をテーマに、21世紀のアメリカやヨー…

Credo / ラトビア国立合唱団

マーリス・シルマイス指揮、ラトビア国立合唱団による2023年のアルバム。 リヒャルト・シュトラウス「ドイツ語のモテット Op.62」は聴いているだけでも規模感を感じられるかなりの大曲。合唱だが管弦楽器のような音使いだなぁと思うところもあり、一度管弦楽…

The Golden Renaissance: William Byrd / Stile Antico

今回は、スティレ・アンティコがウィリアム・バードの作品を取り上げた2023年のアルバム「The Golden Renaissance: William Byrd」を聴く。ルネサンス縛りで聴く企画(?)の第2回。前回(第1回)→ 本アルバムは「4声のためのミサ」の前後にバードの他の作品…

最近聴いた音楽 / 24-06-09

カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』 カネコアヤノ「ラッキー」「さびしくない」 ずっと真夜中でいいのに。「Blues in the Closet」 スチャダラパー & STUTS「Pointless 5 (feat. PUNPEE)」 カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』 変わることと変わら…

Rachmaninoff: All-Night Vigil (Vespers) / The Clarion Choir

セルゲイ・ラフマニノフの「徹夜祷」(All-Night Vigil / Vespers) は毎年のように録音がリリースされている。2023年も数枚のアルバムがリリースされたが、中でもクラリオン合唱団 (アメリカ) × スティーヴン・フォックスによるこの一枚は、第66回グラミー賞…

ジブリをうたう / 武部聡志

スタジオジブリ映画の主題歌や挿入歌を12組のアーティストがカバーしたアルバム。 良いカバーとは何だろうと思ったとき、その曲が持っている魅力を新たに引き出し、さらに相対化する形で原曲の魅力を新たに引き出すようなものではないかと思っている。 この…

Art Choral Vol.5 - Romantique / Ensemble Artchoral

アンサンブル・アートコラール(Matthias Maute指揮)による、ルネサンス期から現代までの6世紀にわたる合唱作品を録音するプロジェクトの一枚で、ルネサンス期の12曲を収録。 ラインベルガー、メンデルスゾーン、ブルックナー、ヴェルディ、チャイコフスキ…

Northern Echoes / Youth Choir Kamer

合唱大国ラトビアの名門合唱団カメールの2023年のEP。透明なサウンドで北欧の美しい響きの6作を取り上げており、各作曲家の入門的な選曲の一枚という印象もある。 丁寧で安定感のあるウィテカー「Lux nova」に続き、イヴァノフスのヴォカリーズ作品の旋律線…

When You Wish Upon a Star: 100 Years of Disney Songs / The King’s Singers

キングズ・シンガーズが2023年にリリースしたこのアルバムは、ディズニー100周年記念として制作され、ディズニーの稀代の名曲25曲をオシャレなアレンジで送る一作。配信限定で3曲の「エピローグ」が追加リリースされている。 多くの曲にゲスト演奏家が入って…

Wonderland / The King's Singers

キングズ・シンガーズが2023年にリリースしたアルバム「ワンダーランド」は、2023年が生誕100年であったリゲティの「ナンセンス・マドリガル集」を散りばめながら、色とりどりの委嘱作品を集めた一枚。 木下牧子の美しい日本語作品「あしたのうた」からはじ…

Lux / Ensemble la Sportelle

フランスの室内合唱団 Ensemble la Sportelle によるアルバムらしいが、いつも情報源としている Presto Music には情報がなく、Amazonでも情報が確認できず。本ブログは、下記のLinksにある2つのページを参考にしている。 最初はこのアルバムのコンセプトを…

バッハのモテットを聴く: 2023新譜3枚

J.S.バッハの6作のモテットは毎年のように新しい録音が行われ、すでに数多のアルバムがあるため、一体どれから手を出したら良いものかといつも迷ってしまうし、新しいものになかなか手を出せない。これまでは、ベルニウス × シュトゥットガルト室内合唱団(C…

Transfiguration / Lunds Vokalensemble

スウェーデンの混声合唱団ルンド・ヴォーカルアンサンブルによる10年ぶりのアルバム。全体を通してハイレベルな演奏なんだけれど、ところどころ目立つ粗があったことは否めない。 マクドウォールの「O Oriens」やトッドの「I Am Changed」あたりの現代曲が良…