What Didn't Kill Us

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Japan / SWR Vokalensemble

SWR声楽アンサンブル(マーカス・クリード指揮)が世界の合唱曲を録音したシリーズの中で日本の合唱曲を取り上げた一枚を聴いた。収録作品は細川俊夫「蓮の花」、武満徹『風の馬』、間宮芳生『合唱のためのコンポジション 第1番』、武満徹「さくら」「翼」、近藤譲「薔薇の下のモテット」、武満徹「小さな空」である。

Japan

Japan

  • SWR Vokalensemble & マルクス・クリート
  • クラシック
  • ¥1528

海外の合唱団がこれだけ上手く日本語の作品を歌い上げているというだけでも感動してしまう部分はあるが、そういうのを差し引いても驚くほどにレベルの高い一枚である。「蓮の花」『風の馬』「薔薇の下のモテット」あたりの複雑な現代曲も丁寧に演奏されていて良かったが、「さくら」「翼」「小さな空」のような、比較的平易なつくりである分、日本語の言葉の響きが重要になってくる作品の仕上がりが特に印象的だった。武満徹の『うた』がこのアルバムをグッと温かみのある印象にしている。

個人的に特に好みだったのは、間宮芳生の『合唱のためのコンポジション 第1番』。日本民謡をベースにした土着的な作品だが、その味がしっかりと表現されており、パワフルな仕上がりとなっていた。贔屓目に見ているところがあることは否めないが、とても良い一枚だった。


Japan - Works for Choir by Toshio Hosokawa; Tōru Takemitsu; Michio Mamiya; Jō Kondō
SWR Vokalensemble, Marcus Creed
2019 (SWR Music: SWR19079CD)
Links: Presto, HMV, Booklet (pdf)
★★★★★(2024/6/23)