ルネサンス音楽のスペインの著名な作曲家の一人、トマス・ルイス・デ・ビクトリアの『聖週間のレスポンソリウム』を収めた一枚。イギリスの実力派古楽アンサンブルグループであるイ・ファジョリーニ(ロバート・ホリングワース指揮)による演奏。
ビクトリアのポリフォニーは対位法的にあまり凝った作りではないが、「情熱の国・スペイン」というステレオタイプを持ち出したくなるくらいには熱量を感じさせる作品が多い印象。このイ・ファジョリーニによるレスポンソリウムの演奏もしっかりと熱のこもった演奏である。バチっと決まるハーモニーはさすがだし、曲想の鮮やかな変化も上手くいっている。イ・ファジョリーニの柔らかくも烈しい演奏がとても心地良いものだった。
Victoria: Tenebrae Responsories
I Fagiolini, Robert Hollingworth
2024 (Coro: COR16204)
Links: Presto, HMV, Booklet (pdf)
★★★★★(2024/6/29)