What Didn't Kill Us

観たもの、聴いたもの、読んだもの

Couperin: Leçons de ténèbres & Gesualdo: Tenebrae Responsories for Maundy Thursday / テネブレ

イギリスのヴォーカルアンサンブルグループであるテネブレ(ナイジェル・ショート指揮)による、聖週間に行われる暗闇の朝課「テネブレ」にまつわる音楽の録音。バロック時代のフランスの作曲家フランソワ・クープランによる「ルソン・ド・テネブレ」と、後期ルネサンスのイタリアの作曲家カルロ・ジェズアルドによる「聖木曜日のためのテネブレ・レスポンソリウム」を収めた一枚。

Couperin & Gesualdo

Couperin & Gesualdo

  • テネブレ & ナイジェル・ショート
  • クラシック
  • ¥1528

クープラン「ルソン・ド・テネブレ」はオルガンとヴィオラ・ダ・ガンバの伴奏で、ソプラノ独唱・二重唱のための作品。装飾的に歌われるソプラノソロの旋律美が特徴的であり、アンサンブルに熟達しているだけあって調和的な演奏であった。ジェズアルドと対比すると抑制的な音楽であるという印象は受けるが、ソプラノソロの豊かな表現を楽しめた。

ジェズアルド「聖木曜日のためのテネブレ・レスポンソリウム」は、6声のための作品を6人で演奏。全体として激情的でかなり緊張感のある作品であるが、テネブレの高いアンサンブル力でバシッと決まった演奏である。激しい部分についつい注意が向いてしまうのだが、静謐な和声の美しさも特徴的で、終始圧倒される演奏だった。


Couperin: Leçons de ténèbres & Gesualdo: Tenebrae Responsories for Maundy Thursday
Tenebrae, Nigel Short
2020 (Signum: SIGCD622)
Links: Presto, HMV, musicweb-itn., tenebrae-choir
★★★★☆(2024/6/25)