15世紀後半から16世紀にかけてのフランドル楽派の作曲家の中でもあまり知られていないヨハネス・トゥールーと、同時代のガスパル・ファン・ヴェールベケ、ハインリヒ・イザークなどによるポリフォニー作品を探求する一枚。ヴォイチェフ・セメラード指揮のカペラ・マリアーナによる演奏。
どの曲も全く知らなかったのだが、素朴さを感じられるポリフォニーが並んでいるという印象を受けた。ルネサンスポリフォニーらしい複雑な対位法が特徴的ながら、パート間の溶け合いも絶妙で、澄んだ響きが楽しめる。強烈なインパクトを残すわけでもないが、一級の心地よさがあった。ヴェールベケが耳に合う感じがあり、Anima mea liquefacta est や Salus aeterna あたりは特に好みだった。
Flemish Polyphony in Central Europe: Works by Tourout, Isaac & Weerbeke
Cappella Mariana, Vojtěch Semerád
2024 (Passacaille: PAS1133)
Links: Presto, HMV
★★★☆☆(2024/7/7)