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Bruckner, Martin: Une messe imaginaire / Spirito

ブルックナーのモテット4作とマルタンのミサを並べるのは意外と見かけない組み合わせではなかろうか。アルバムのタイトルも組み合わせて推察するに、ミサの合間にモテットを組み合わせることで、全体として「架空のミサ(messe imaginaire)」を構成しているということなのだろう。ミサの合間にモテットなどを演奏していくのは古楽のアルバムではよくみられるが、マルタンとブルックナーでやるのはおそらく初めて見た。演奏はフランスの合唱団Spiritoなのでマルタンは一応本場にあたる。

音質は悪くないし、サウンドも重厚。よく統率の取れた演奏でマルタンの難曲を情緒的かつダイナミックに歌い上げていた。久しぶりに聞いたけれどやはりこのミサは素晴らしい。マルタンの魅力を十分に感じられる演奏だった。ブルックナーのモテットも定番のAve MariaとOs justiに加えてVexilla Regis(WAB 51)とTantum Ergo(WAB 32)という選曲から好み。多少の粗に目をつぶれば、全体としてはなかなか良い一枚なんじゃないかと思う。

ブルックナーの周年で管弦楽はそこそこリリースもあって盛り上がっている印象を受けるが、合唱はあまりリリースされている感じはない。そういう意味で、このアルバムもあくまでマルタンがメインではあるし、周年を意識したものではなさそうだが、ブルックナーお目当てで聴いても良いかと。


Bruckner, Martin: Une messe imaginaire
Spirito, Nicole Corti
2024 / NoMadMusic / NMM112D
★★★☆☆(2024/9/20)

○Links: Presto, musicweb

Bruckner, Martin: Une messe imaginaire

Bruckner, Martin: Une messe imaginaire

  • Spirito & Nicole Corti
  • クラシック
  • ¥1528