最近はルネサンス音楽やバロック音楽を聴くようにはなったが、ルネサンス末期と初期バロックあたりの細かい区別がどうなっているのかは未だによく分かっていない。他の時代区分にも言えることかもしれないが、二つの時代を生きた作曲家はどうやって区分されるのだろう。こうやって感想を書く中でちゃんと勉強していかないといけない。
そんなことを思いながら、今回はラッソ、シュッツ、ヘッセン=カッセル、G.ガブリエリなど後期ルネサンスからバロックあたりの作曲家の作品を聴いている。HMVのページの商品紹介が詳しいのだが、このアルバムは16〜17世紀にかけて音楽活動が栄えていたカッセル宮廷やヴェネツィア共和国の文化都市ヴェローナで用いられていた「ミュート・コルネット(金管楽器風のマウスピースを備えた木管楽器コルネット(ツィンク)の一種で、管がカーブしていない直管の楽器)」という楽器を使い、この楽器の響きを再現し、楽しむことを目的としたプログラムである。合唱曲のアルバムではあるが、伴奏楽器であるミュート・コルネットがフィーチャーされている。
ミュート・コルネットだけが聞こえてくるわけではなく、HMVのページの商品紹介によれば、器楽隊は3本のミュート・コルネットに加え、サックバット4(トロンボーン系)、ドゥルツィアン(ファゴット系)及びソルドーネ(不明)1、ヴァイオリン2、ヴィオローネ及びガンバ1(中低音の弦楽器)、テオルボ1(リュート系)、鍵盤1という編成。明らかにコルネット系の音が多く使われているのでミュート・コルネットの識別には問題がないし、器楽隊がこれだけ充実しているというのは聴いていて心地良い。合唱ともよく馴染んでいる温かいミュート・コルネットをはじめとする器楽隊の演奏に、耳はとても喜んでいる。
Still und lieblich
InAlto, Lambert Colson
2024 / Ricercar / RIC464
★★★☆☆(2024/8/30)