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Byrd 1588: Psalmes, Sonets & Songs of Sadnes and Pietie / Alamire

アラミレによるウィリアム・バードの作品集第一弾。第二弾(1589)は以前このブログでも取り上げているが、今回は1588年に出版された『詩篇、ソネット、悲しみと敬虔の歌曲集』を全曲録音した一枚。トマス・タリスとの出版楽譜(1575年。アラミレは2011年に録音している)を除けばバードの出版楽譜の最初期の作品である。

今回のアルバムは、アラミレによる無伴奏の合唱、フレットワークによる器楽演奏、その器楽演奏の伴奏(4声)がついた独唱、というように、複数の編成での演奏が混ざる形で構成されている。音楽史の知識がないため的外れかもしれないが、本作は比較的ポピュラーソングらしさを感じるというか、マドリガルにも通じるようなキャッチーさをもった楽曲が並んでいるという印象は受ける。合唱演奏はもちろん素晴らしいのだが、独唱演奏の伸びやかで叙情的な歌唱が素晴らしい。独唱を彩るフレットワークの温かい演奏にも深く魅了された。

唯一、難点になるかもしれないのは、2時間半というたっぷりとしたボリュームだろうか。各曲の演奏が充実しているだけに、正直、通しで集中して聴くには少し重たいアルバムである。


Byrd 1588: Psalmes, Sonets & Songs of Sadnes and Pietie
Alamire, Fretwork, David Skinner
2021 / Inventa Records: INV1006
★★★★★(2024/9/22)

○Links: Presto, hmv, musicweb, CPDL(wiki)

Byrd 1588: Psalmes, Sonets & Songs of Sadnes and Pietie

Byrd 1588: Psalmes, Sonets & Songs of Sadnes and Pietie

  • アラミレ, フレットワーク & デイヴィッド・スキナー
  • クラシック
  • ¥3056