What Didn't Kill Us

観たもの、聴いたもの、読んだもの

Schumann: Missa Sacra / Swedish Radio Choir

シューマンは名前を知っているもののほとんど聴かない作曲家だったが、スウェーデン放送合唱団なら聴いてみるかということで手にとった一枚。オルガン伴奏の『ミサ・サクラ』と無伴奏の『4つの二重合唱曲』が収録されている。カスパルス・プトニンシュ指揮。

Schumann: Missa sacra, Op. 147

Schumann: Missa sacra, Op. 147

  • スウェーデン放送合唱団, カスパルス・プトニンシュ & ユーハン・ハマーストレム
  • クラシック
  • ¥1528

珍しく Wikipedia を読んだのだが、シューマン(のミサ)は、位置づけとしてはシューベルトとブルックナーの橋渡しのような位置にあるという。初心者にはそんなことを言われてもピンと来ないのだが、自分の多少知っている作曲家とつながりがあると言われると少しなじめるような気がしてくるのも確か。

ミサ曲『ミサ・サクラ』は6曲構成。全体を通して柔らかくしっとりとした仕上がりの作品。シューマンっぽい(?)重たさも少しあるが、最終的には長調で終わるように、むしろ全体としては優しさを感じた。長めの作品なので、個人的にはあまり良さが掴みきれなかったところはある。合唱とオルガンの演奏で進行していく中、独唱がところどころ登場する。独唱については、「オッフェルトリウム」でのイェンニ・エーリクソン・ヌーディンのソプラノ独唱もかなり良かったが、それ以上に「グロリア」でのカトリン・ロレンツェンのソプラノ独唱が好みだった。

後半の『4つの二重合唱曲』も初めて聴いたのだが、彩り豊かな作品が並んでいてかなり良かった。タイトルを並べてみると、星へ(An die Sterne)、おぼろな光(Ungewisses Licht)、信頼(Zuversicht)、お守り(Talismane)という何とも私好みのタイトルが並んでいる。テキストは細かく見ていないが、そこもいずれ確認してみたい。色が明確に変わっていくのが感じられる演奏で、シューマンは和声の使い方が本当に巧いなと感じた。個人的には第3曲「信頼」が特にうっとりとするような美しさがあって好き。活気のある第4曲「お守り」の最後が優しく包み込むようなアーメンなのも印象的だった。


Schumann: Missa Sacra
Swedish Radio Choir, Kaspars Putniņš, Johan Hammarström
2023 (BIS: BIS2697)
Presto, HMV, Wikipedia (ミサ)
★★★☆☆(2024/6/19)