What Didn't Kill Us

生存記録。レビューではなく日記。

最近聴いた音楽 / 24-11-22

谷川俊太郎が亡くなった。だからこの生活がどうこう変わるということもないのだが、なんとなくショックのある出来事だった。久しぶりに谷川俊太郎の詩を読んだことをきっかけに?少しだけ読書を再開させたり、パソコン作業をこなすことができた。一番しんどかった時期は乗り越えられたかもしれないけど、どうだろうなぁ。

ニャホ『放蕩息子は帰らない』

いいロックだなぁと思った。人生の鬱屈の中にある一種の諦念を感じさせる歌詞が気持ち良い。センスの方向性は違うけど、田中ヤコブの系統。ヴォーカルの声質がどこかで聞いたことがありそうな感じだけど、とても心地よかった。なんとなくback numberとかくるりを思い出した。個人的な推しはギターが良い鳴りをしている「留守番中のできごと」、歌詞が好きな「めがねどこめがねどこ」と「自信ない気持ち」かな。⑨

放蕩息子は帰らない

放蕩息子は帰らない

  • ニャホ
  • オルタナティブ
  • ¥2444

ゆうさり『星をつぐ人』

バンドセットの美しい音づくりに魅了された。全体的にドラムスがいい活躍をしていて、バスドラムとかシンバルが曲想に大きく寄与していると思う。こういう音楽だよなぁやっぱ。どこか不安定さもある細いヴォーカルにもかなりの味があるし、ソングライティングも良い。個人的には「ほころび」と「ひかり」推し。やっぱりAPOLLO SOUNDSはいい音楽家を抱えているな。⑨

星をつぐ人

星をつぐ人

  • ゆうさり
  • オルタナティブ
  • ¥2037

Hedigan's『Chance』

先行リリースのSGも結構良いじゃんと思っていたのだが、アルバムとしても素晴らしい。気持ちよく鳴っている「地球(仮)」から始まるアルバムは、脱力系の「その後…」、名バラードの「再生」、歌詞が(私も含む)ある人たちにとっては斬れ味がすごすぎてもはやしんどい「Mission Sofa」など、ジャンルも多様な名曲に溢れている。改めて聴いても燦然と煌めく「カーテンコール」にも泣けてくるし「グレー」はいつ聴いたってアガる。予想以上に良いアルバムでした。⑩

Chance

Chance

  • Hedigan’s
  • ロック
  • ¥2139

キセル「縁歌」

驚くほどの名曲だった。最近のミュージシャンで言うならば折坂悠太と通じている。長く活動してきたベテランの本気を感じたな。じんわりと沁みる。⑨

縁歌

縁歌

  • キセル
  • オルタナティブ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

田中喉笛交響楽団「何様 (feat. rui hanashiro)」

田中喉笛交響楽団になると、ベルセデスのハードコアっぷりは鳴りをひそめて、個人的には聞きやすくなるんだよなぁ。今回の曲のポップセンスも良い。もっと世間的に評価されて良いはず。⑦

何様 (feat. rui hanashiro)

何様 (feat. rui hanashiro)

  • 田中喉笛交響楽団
  • J-Pop
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

Lamp『ゆめ』(2014)

最強。こんなの好きにならないわけない。夢想的な響きのジャズポップという意味では、今年出た浦上想起のアルバムあたりと通じる気がする(男声のヴォーカルがなんとなく似たようなヴォイスにも聞こえるし)。ベース、ギター、ドラムスに加えて、ストリングスにジャジーなブラス、フルートやクラリネットなど色々な音が詰まった面白さもあるし、いくらなんでもこのソングライティングは良すぎる。全曲良いのでまさしく至高の時間。⑩

ゆめ

ゆめ

  • Lamp
  • J-Pop
  • ¥2444

Lamp『東京ユウトピア通信』(2011)

何か詳しく語るまでもないだろう。そのボッサ調の豊かに響きわたる音楽は、他の音楽とは一線を画すほどにあまりにも心地良かった。⑩

Tokyo Utopia Tsushin

Tokyo Utopia Tsushin

  • Lamp
  • J-Pop
  • ¥2040

tiny desk concerts Japan(小沢健二)

2024年の小沢健二を言い表すのに、スチャダラパーとの「ぶぎ・ばく・べいびー」とLIFE再現ライブはあまりにも象徴的だなぁと思っていた。徹底した懐古主義。それは温故知新という感じでもない。おじさんが昔の栄光に囚われてしまっているような趣とでも言おうか。まさしく昭和マストゴーオンの世界(厳密にはオザケンが王子様だったのは平成初期も含むが)。そして今回のtiny desk concerts も黒いウサギの被り物をした老けた顔の「おじさん」が、絶妙にイタいことを30分間やり通すという、良い意味でも悪い意味でも小沢健二、オザケンの濃度、具体的に言えば彼の「王子様感」が濃すぎる時間だった(意図的にそうしているのだろう)。

好きなことを好きなだけやっている、そんな姿を見ながら、やはり小沢健二というのは音楽家であると同時に思想家なんだろうなぁと思う。その思想をコンサートによって、なんなら人生をもって体現している。まぁ、その濃度がここまでに濃いと、いくら小沢健二が好きとはいえちょっと「ウッ」となってしまうところはあったけど、合わない分は割り切るしかない。「フクロウの声が聞こえる」と「アルペジオ」がいいなと思ったのと、新曲「台所は毎日の巡礼」がけっこう良かった、書くことはそれくらいかな。この路線が嫌というわけでもないし、個人的にはちゃんとアルバムみたいなまとまった形で出してくれないかなぁと願うばかり。

小沢健二『tiny desk concerts JAPAN』収録レポ スチャダラパーも参加、番組の可能性を押し広げる「特別な空間」 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

↓つづく - tiny desk concerts JAPAN - NHK

その他

Cornelius『夢中夢』(2023)

Dream In Dream

Dream In Dream

  • Cornelius
  • オルタナティブ
  • ¥2241